2023 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of digital teaching materials for pre-service teachers to educate "global perspectives"
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23K02424
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Research Institution | Kansai Gaidai College |
Principal Investigator |
笠井 正隆 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 教授 (90510735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健宏 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (30309017)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | グローバル教育 / 教師教育 / デジタル教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究内容は、当初の目的通り、メディア教材を活用して「グローバルな視野」を育成する授業実践者育成のモデルコース構築を行った。まず、インストラクショナルデザイン理論(ADDIEプロセス)の第一段階である分析(Analysis)段階として、「グローバルな視野」を構成する中心要素をグローバル教育の実践報告論文の分析によって再定義を行った。その結果、これまでに提唱されてきた6つの中心要素(「見方」の認識、異文化学習と異文化間コミュニケーションスキル、地球的相互依存関係、グローバル史、グローバルな問題、グローバル社会への参加)は現在においても重要な中心要素であり、加えて「情報リテラシー」、「多文化共生力」、そして「国際協調・協力」も授業実践に取り入れられていることが判明した。加えて、関西圏にある大学の教職課程の履修学生115名(初等教育課程35名・中等教育課程80名)対してグローバル教育の実践力への意識について調査を行い、グローバル教育の重要性は認識していたが、授業実践のイメージを抱くことが困難である傾向が見られた。この意識調査による分析結果等を踏まえ、効果的かつ効率的に「グローバルな視野」を適切な手法で教えることができる資質を育成するコース(15レッスン・90分/レッスン)をエビデンスベースで設計した。そのコースには、教職課程学生の「グローバルな視野」の獲得・向上と「グローバルな視野」を育成する教授法の習得の2つの目的を含み、反転授業形式で授業を進め、テキストやオーセンティックな教材の使用やアクティブラーニング・体験型学習の積極的導入などの特徴が含まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、グローバル教育で育成する「グローバルな視野」を構成する資質の再定義、その資質を教える実践力を効果的かつ効率的に育成するためのコース構築が完了した。また、翌年度の研究内容に予定されていた当該コースで使用するメディア教材の一つであるデジタルテキストは日本語と英語による開発を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、令和6年度ではインストラクショナルデザイン理論(ADDIEプロセス)の「開発」(Development)段階に入る。つまり、メディア教材の開発とLMSへの実装を予定している。また、LMSへの実装後、その稼働状況を繰り返し試行しながら確認し、改善・改良を加えて問題なく稼働するように調整予定である。同時に、当該メディア教材の使用方法や想定したコース内での活用方法や注意点を記した実施手順書、ならびに各対面授業内で行う学修活動の授業計画と留意点等を記したシラバス作成も予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた状況としては、「グローバルな視野」を育成する教育の現状分析のために先進的な取り組みを行っているアメリカへ調査出張して情報収集を行う予定であったが、日本グローバル教育学会が定期刊行している学術雑誌『グローバル教育』にて掲載されている実践報告論文にて国内外の詳細かつ幅広い実践報告を収集することができたためアメリカ出張を取り止めたことに起因する。翌年度分の助成金と合わせて、翌年度の研究内容である「グローバルな視野」を育成する教育実践者養成のためのデジタル教材開発のために必要なソフトウェアやハードウェア等の購入、ならびに研究分析ソフトの購入、そして研究成果の学会発表などに使用する予定である。
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