2023 Fiscal Year Research-status Report
若齢マングローブの定着率向上に資するポータブル消波工の研究
Project/Area Number |
23K04343
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 泰士 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40619847)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | グリーンインフラ / マングローブ / ポータブル消波工 / 若齢マングローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では若齢マングローブの定着率を高めて順応的に植林域を拡大していく方策として,人力で設置可能なポータブル消波工を提案し,その要求性能を明らかにするための研究を行っている。植え付け直後のマングローブは根が十分に発達しておらず波による流失リスクが高いため,ポータブル消波工の効果により定着率が高まると期待されるが,これまでにマングローブが生える極浅水域での消波工の消波性能に関する造波実験や数値解析的研究に加えて,現地調査を行い若齢マングローブの成長に及ぼす種々の影響,ポータブル消波工の設計に関する研究を行ってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若齢マングローブを模擬した弾性体を作成し,水槽内に設置して波浪に対する振動を計測する造波水槽実験を実施した。この際,消波工を設置しないケースに加えて,石積みの台形ポータブル消波工を設置するケースについて実験を行った。消波工あり・なしで比較すると,消波工ありの場合はマングローブ模型の振動が大きく低減されることを確認した。現在振動低減率に関して詳細な分析を行っている。また,奄美大島に接近した2020年台風Haishenが引き起こした波浪や高潮について分析し,自生する若齢マングローブに作用した想定外力について解析的研究を行い,成果をNature-based Solution誌で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査や室内実験を通じて若齢マングローブの成長過程を調べることで,ポータブル消波工の設計に資する研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
室内実験を中心に研究を行ったため次年度使用額が生じたが,次年度はフィールド調査等で支出を予定している。
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