2023 Fiscal Year Research-status Report
Facile preparation of N-doped graphene using MHz ultrasound and elucidation of mechanism
Project/Area Number |
23K04488
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
二井 晋 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90262865)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ultrasound / cavitation / graphene / nitride |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではメガヘルツ超音波照射による簡便な炭素材料調製法の学術基盤を構築する大目的のもとで2つの目的を設定している。第1にアンモニア水とグラファイト混合物へのメガヘルツ超音波照射による窒化メカニズムを解明すること、第2に窒化量を制御する条件を探索し、他の官能基による炭素修飾、例えばグラファイトへの含酸素基の導入可能性を探ることである。 2024年度は、超音波作用メカニズム解明のため、種々の濃度のアンモニア水と超音波照射条件で窒化グラフェンを生成させ、生成物の窒化特性を把握した。超音波周波数としては、これまでに実績のある1.6メガヘルツに加えて2.4メガヘルツで試験した結果、1.6メガヘルツが窒化において優れていることがわかった。これまでに窒化グラフェン製造に成功しているアンモニア濃度10%から大幅に低下させてもN/C値がゼロになることはなく、アンモニア濃度とともにN/C値が増加する傾向が見られた。含窒素種について、アンモニア濃度によって生成する含窒素種に変化が見られた。アンモニア濃度の増加とともにピロリン型窒素の生成割合が大きくなることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度には、これまでに窒化グラフェン製造に成功しているアンモニア濃度10%から、アンモニア濃度を低下させた条件での窒化に成功し、アンモニア濃度が窒化の支配因子でないことがわかった。したがってアンモニア以外の物質とグラファイトとの反応を探索することで、この現象のメカニズム解明に近づいたためである。この成果に加えて、含窒素種の組成がアンモニア濃度によって変化する興味深い事実がわかった。この事実は反応経路を考察する上で重要な結果であり、これらの発見は研究目標として設定した窒化メカニズム解明に大きく貢献するためにこのように評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度には2023年度に続いて、超音波作用メカニズム解明を目的として、超音波の照射条件を系統的に変化させた場合の窒化特性を調査する。さらに、アンモニアを含まない水の場合での、炭素の酸化特性を検討する。これまでのXPS分析結果を精査して含窒素化学種、修飾官能基の種類と密度の測定、ラマン分光分析による炭素シート厚みの定量、SEMによる形態観察を予定している。
|
Causes of Carryover |
当初2023年度に購入を予定していた、見積額約1,000,000円の超音波振動子駆動用のアンプが、製造元の事情による大幅な価格アップにより購入できなくなり、2023年度の執行を取りやめた。2024年度には、執行可能な金額内でのアンプの機種選定をやり直して購入する予定である。これにより当初の計画通りの予算執行を目指す。
|
Research Products
(1 results)