2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of cellular responses to lysosomal dysfunction using iPS cell-derived neurons
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23K06323
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小池 正人 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80347210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 睦美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (10647415)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | PRKN / ドパミン細胞 / iPS細胞 / ERMCS / 光顕・電顕相関観察 / 近接ライゲーションアッセイ / RNA-seq / ATP6AP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マイトファジーに必須とされるPRKNに着目し、PRKN遺伝子変異患者iPS細胞由来ドパミン作動性ニューロンにおける小胞体とミトコンドリア間のコンタクトサイト(ER-mitochondrial contact sites : ERMCS)の変化を明らかにするため、ドパミン作動性ニューロンマーカーであるTyrosine Hydroxylase(TH)遺伝子にGFP遺伝子をノックインしたTH-GFP iPS細胞を用いて光顕・電顕相関観察や近接ライゲーションアッセイ、ミトコンドリアカルシウムイメージングを行った。その結果、PRKN変異患者におけるERMCS量の減少とミトコンドリアへのカルシウム流入の減少を見出した。これらの結果からPRKN変異患者ドパミン作動性ニューロンにおいてERMCS減少による小胞体からミトコンドリアへのカルシウム流入障害が示唆された。 さらに、PRKN変異患者TH-GFP iPS細胞由来GFP陽性ドパミン神経細胞(CCCP24時間処理)についてRNA-seq解析した結果、ATP6AP2の発現が健常者と比較して減少していた。ATP6AP2はリソソームの酸性化に関わるV-ATPaseのアッセンブリーに関与することが知られており、ATP6AP2遺伝子変異はてんかんやX連鎖性パーキンソニズムで報告されている。そこで、X連鎖性パーキンソニズムで報告されているc.345C>T変異(exon4スキッピング)を相同組み換えによってiPS細胞へ導入するため、c.345C>T変異を含む一本鎖DNAとATP6AP2exon4をターゲットとしたgRNAとCas9共発現ベクターを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイトファジーに必須とされるPRKNについて、その遺伝子変異患者iPS細胞由来ドパミン作動性ニューロンにおける小胞体とミトコンドリア間のコンタクトサイトが減少することを形態学的、生理学的に明らかにすることができ、論文発表に至った。さらにRNA-seq解析におりPRKN遺伝子変異患者iPS細胞由来ドパミン作動性ニューロンにおいて減少しているリソソーム関連タンパク質をコードする遺伝子を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
X連鎖性パーキンソニズムで報告されているATP6AP2遺伝子のc.345C>T変異をノックインしたiPS細胞を作出する。この細胞から神経細胞に分化させ、形態学的変化や、さまざまなストレスに対する脆弱性などについて、健常者由来神経細胞との比較を行う。
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Causes of Carryover |
iPS細胞の維持費の一部を大学内の別の予算で賄ったため、次年度使用額が生じた。次年度は成果を国際学会にて発表予定であり、そのための予算として使用する予定である。
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