2023 Fiscal Year Research-status Report
全身性強皮症に対する新規生物製剤 hMIKO-1の有効性検証とその機序の解明
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23K07914
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小谷 卓矢 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(講師) (80411362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 徹 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10330078)
朝井 章 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (30622146)
池本 正生 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 客員教授 (80144385) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / マクロファージ / S100蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
2024年度の実験目的:皮膚と肺(間質性肺炎)に病変を呈する全身性強皮症モデルマウスを用いて、皮膚及び/肺の炎症及び続発する線維化病変に対するhMIKO-1の治療効果を検証した。 方法:ブレオマイシン(BLM; 200μg/mouse/day)を4週間隔日投与することにより皮膚と肺の両方に炎症と線維化を呈する全身性強皮症モデルマウス(BLM-SScマウス)を作製した。hMIKO-1(0.1 mg/mouse/day)を200μLの生理食塩水で溶解後に連日腹腔内投与を行った。実験群は、①健常マウス群(Sham control; N =4匹)、②疾患コントロール群(Vehicle; N = 7)、③治療群(Vehicle + hMIKO-1; N = 7)を設定した。治療効果は、皮膚/肺病理所見、皮膚/肺組織の免疫染色で評価した。 結果:疾患コントロール群と比較して、hMIKO-1投与群でBLM投与開始8週間後の体重減少が有意に抑制されていた。皮膚病理組織標本ではhMIKO-1による炎症及び線維化の抑制効果は認められなかったが、肺病理組織標本ではhMIKO-1による肺線維化(Ashcroft scoreによる半定量評価)の抑制効果を認めた。皮膚病理組織を用いてα-SMAの免疫染色を施行したところ、疾患コントロール群と比較してhMIKO-1治療群でα-SMA陽性細胞(筋線維芽細胞)の有意な減少を認めた。皮膚と肺の病理組織標本を用いてF4/80の免疫染色を施行した結果、肺病理組織において、疾患コントロール群と比較してhMIKO-1治療群でF4/80陽性細胞(マクロファージ)集簇の有意な減少を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SScモデルマウスに対するhMIKO-1の治療効果を確認するためのin vivo研究は、既に主の評価が終了しつつあるため順調に経過していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では、SScモデルマウスに対するhMIKO-1の治療効果が皮膚病変と肺病変で乖離しており、これから免疫染色や病変部組織を用いた定量PCR法で詳細に検討する予定である。hMIKO-1の集積/移行が臓器により異なる可能性があり、各臓器の薬剤移行についても検討する予定である。
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