2023 Fiscal Year Research-status Report
膵臓手術後NAFLDの原因解明および新規治療法の開発
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23K08185
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 晶玄 東北大学, 大学病院, 講師 (90619660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 尭裕 東北大学, 大学病院, 助教 (30785621)
大塚 英郎 東北大学, 大学病院, 講師 (50451563)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 膵臓切除 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓切除手術(膵頭十二指腸切除術及び膵全摘術)の術後症例のカルテ情報の解析を行い、脂肪肝の発生を検索した。また身体測定データ、血液生化学データ、画像データを収集し、解析を行った。 症例あたり24種の脂肪酸測定を行い、またCT画像検査により術前及び術後の体脂肪、内臓脂肪量の測定を行った。栄養状態を血清アルブミンや、さらに末梢リンパ球数、コレステロールを加えたCONUT値により評価したところ、膵臓手術後の脂肪肝は、低栄養状態と関連していることを改めて確認した。体脂肪測定では、術前に内臓脂肪量が多く、内臓肥満型と診断される症例では、有意に膵臓切除術後の脂肪肝が多いことを認めた。脂質代謝に加え、術前の内臓脂肪量が関連していることを明らかにした。膵臓切除術後の脂肪肝発生に関連する脂肪酸としては、必須脂肪酸であるリノレン酸、リノール酸の低下、超長鎖脂肪酸であるベヘニン酸、リグノセリンの低下が有意に関連し、またミード酸やパルミチン酸の上昇が、脂肪肝発生と有意に関連することを明らかにした。必須脂肪酸の低下は、膵外分泌機能障害が、背景にあると考えられ、膵臓切除術後の膵外分泌機能障害が、脂肪肝発生に関連するという仮説の有効な傍証を得た。本結果については、第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会にてその概要の発表を行った。 動物実験については、手術による膵外分泌機能障害モデルラットを作成中である。手術自体は施行しているが、長期生存が得られず、投薬治療実験は今後施行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床データについては、情報を集積し、適宜解析した。 膵臓切除後の脂肪肝発生には、脂質代謝に加え、術前の内臓脂肪量が関連していることを明らかにした。結果については、第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会にて発表を行った。 動物実験については、モデル動物を作成中である。ラットに対し、バイパス手術を行うことで、膵外分泌機能不全動物を作成しているが、手術中、術後の経過が良好でなく、その後の実験継続があまり行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データについては、引き続き収集し、解析を継続する。 動物モデルは作成中であり、完成次第、解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験に関する金額が、来年度の請求となりました。
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