2023 Fiscal Year Research-status Report
膵がん微小環境を構築する細胞社会において免疫寛容に寄与するがん代謝機構の解明
Project/Area Number |
23K08215
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
細田 清孝 九州大学, 大学病院, 特別研究員 (00898033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 数冴 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00909385)
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 講師 (40608965)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 膵癌微小環境 / がん代謝 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、がん細胞における代謝機構に重要と考えられるミトコンドリアについて解析を行うこととした。近年がん細胞と微小環境を構成する細胞はトンネルナノチューブを介してミトコンドリアのやりとり(ミトコンドリアトランスファー)をしていることが乳癌や膠芽腫などで明らかにされつつあるが、膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに関する詳細は明らかになっていないため、膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに着目した。膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーは現時点では臨床検体のシークエンスデータから確認することは困難であるので、まずMitoTracker Red CMXRosおよびMitoTracker Green FMを用いてin vitroで膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーについて膵癌細胞株(Panc-1、PK-1、MIA PaCa-2)と線維芽細胞(KMST-6)を用いて確認した。KMST-6からPanc-1、PK-1、MIA PaCa-2の3細胞株それぞれにミトコンドリアがほぼ一方向性に移動していることが確認された。またKMST-6から単離したミトコンドリアをPanc-1、PK-1、MIA PaCa-2の3細胞株に導入(ミトセプション)を行い、通常細胞株とROS産生について検討したところ、ミトセプションを行った細胞株でROS産生が増加していることが確認された。上記の結果ががん代謝にどのような影響を与えるのか細胞株のRNAシークエンスならびに臨床検体を用いたシークエンスを行い確認する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定した研究については、立案後に複数の研究結果が報告されたため、がん代謝に深く関与する膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに着目することにした。膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーは現時点では臨床検体を使用したシークエンスデータから得ることは困難であるため、まずin vitroの実験を行い、その後その結果を鑑みてシークエンスを提出することとしたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞KMST-6から単離したミトコンドリアを導入(ミトセプション)した膵癌細胞(Panc-1、PK-1、MIA PaCa-2)の3細胞株のRNAシークエンスを行い、その結果を踏まえて臨床検体を用いたシークエンスへの提出、解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度の実験消耗品使用予定
|
-
-
[Journal Article] Tumor suppressive role of the epigenetic master regulator BRD3 in colorectal cancer.2024
Author(s)
Hashimoto M, Masuda T, Nakano Y, Tobo T, Saito H, Koike K, Takahashi J, Abe T, Ando Y, Ozato Y, Hosoda K, Higuchi S, Hisamatsu Y, Toshima T, Yonemura Y, Hata T, Uemura M, Eguchi H, Doki Y, Mori M, Mimori K.
-
Journal Title
Cancer Sci.
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Successful multidisciplinary treatment with complete response to atezolizumab plus bevacizumab in a 90-year-old patient with hepatocellular carcinoma recurrence.2023
Author(s)
Hosoda K, Toshima T, Takahashi J, Yonemura Y, Hisamatsu Y, Hirose K, Masuda T, Motomura Y, Abe T, Ando Y, Dairaku K, Nakano Y, Hashimoto M, Hiraki Y, Soejima Y, Yoshizumi T, Mimori K.
-
Journal Title
Int Cancer Conf J.
Volume: 12(4)
Pages: 274-278
DOI
Peer Reviewed
-
[Presentation] 肝細胞癌新規ドライバー遺伝子Vacuolar protein sorting 45(VPS45)の同定と作用機序の解明.2023
Author(s)
大渕 昂, 増田 隆明, 池原 智彦, 細田 清孝, 松本 千尋, 阿部 正, 大樂 勝司, 中野 祐輔, 廣瀬 皓介, 馬場 秀夫, 三森 功士.
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
Invited
-
-
[Presentation] 肝細胞癌新規ドライバー遺伝子Tumor Necrosis Factor Superfamily Member 4の同定と作用機序の解明.2023
Author(s)
細田 清孝, 増田 隆明, 斉藤 秀幸, 本村 有史, 安東 由貴, 阿部 正, 大樂 勝司, 中野 祐輔, 平木 嘉樹, 池原 智彦, 米村 祐輔, 長尾 吉泰, 津田 康雄, 廣瀬 皓介, 副島 雄二, 三森 功士
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
Invited
-
[Presentation] 染色体コピー数解析による肝細胞癌における新規ドライバー遺伝子候補Apolo1の同定.2023
Author(s)
池原 智彦, 増田 隆明, 細田 清孝, 本村 有史, 安東 由貴, 廣瀬 皓介, 阿部 正, 大樂 勝司, 中野 祐輔, 平木 嘉樹, 渋田 祥平, 津田 康雄, 長尾 吉泰, 米村 祐輔, 副島 雄二, 三森 功士.
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
Invited
-
-
-