2023 Fiscal Year Research-status Report
4D flow MRI を用いた嚢状腹部大動脈瘤の破裂リスク解析
Project/Area Number |
23K08229
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀬戸 達一郎 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70362118)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腹部大動脈瘤 / 4DMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
腹部大動脈瘤の破裂リスクの指標として一般的に用いられている最大短径と拡大速度は、嚢状や不整形などを示す動脈瘤においては不充分である。近年CFD解析や4D flow MRIを用いた血流の幾何学的解析ができるようになり、剪断応力や血流うっ滞などが破裂リスクの指標として報告されつつある。しかしこれら幾何学的指標のもと、大動脈壁に「実際に何が起こっているのか」を明らかにした報告は少ない。本申請では腹部嚢状動脈瘤の全割切片を作成し動脈瘤の局所毎の病理学的解析結果を、術前に行った4D flow MRIに重ねてマッピングすることにより、近年著しい発達を遂げている流体力学的解析を実検体に繋げ、これまで推論の域を出なかった破裂に至るプロセスを明らかにしたいと考えている。 (方法)手術を予定している嚢状AAA患者に術前4D flow MRI,CT,術中超音波検査を施行し、以下のデータを得る。 ①4D flow MRI;動脈瘤の流線図、血管壁剪断速度、血管壁剪断応力分布図を作成。各部位のWWS、流れの向きの変化量、渦流の存在を3D画像にて得る。②造影CT;最大短径、嚢長、入口部面積、瘤体積、ILT体積 ③術中大動脈超音波検査;壁厚、ILT厚 ④組織学的解析;10%ホルマリンで 48~72 時間固定された大動脈壁を3Dスキャナーで撮影した後,幅 3~5mm 、長さ 25~35mmの大きさで全割し、スキャン画像に切り出し図を書き入れ、組織パラフィンブロックを作製。すべてのパラフィンブロックより 5μm連続切片を作製し上記の検体と以下の検討を行い、各データを切り出し図上に入力する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者の登録を行っているが、予想より対象患者が少なく、症例の集まりが悪いため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定患者数に達し次第、病理解析を開始する予定。
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