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2023 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of progressive neurogenic bladder in spina bifida by bladder remodeling

Research Project

Project/Area Number 23K08725
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

有井 瑠美  順天堂大学, 医学部, 准教授 (50794418)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山高 篤行  順天堂大学, 医学部, 教授 (40200703)
須田 一人  順天堂大学, 医学部, 准教授 (60784725)
磯谷 周治  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70398741)
河野 春奈  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90445528)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsミトコンドリア / HSP60 / GDF15
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、神経因性膀胱の患者においてS状結腸利用膀胱拡大術後においても膀胱や腎機能が正常化しない原因の究明を目的としており、膀胱壁肥厚や線維化などに起因する『膀胱リモデリング』に着目している。A)膀胱拡大術によるリモデリングの経時的変化を組織学・分子生物学的評価によって明らかにする。B)続いて、そのリモデリングを示す評価項目に強く影響を示す臨床項目を検索するため、膀胱機能検査所見・尿生化学的検査・加齢による変化との相関性を解析する。膀胱リモデリングが膀胱と腎機能に与える影響を明らかにしようとしている。
令和5年度は、S状結腸利用膀胱拡大術後の神経因性膀胱における組織線維化や未治療の膀胱尿管逆流症(VUR)合併、膀胱容量増加率、炎症性細胞浸潤と、膀胱上皮におけるミトコンドリア活動指標が相関するかを検討した。結果、拡大術後神経因性膀胱の膀胱上皮におけるミトコンドリア活動性 (HSP60)発現が低いこと、およびそれに関連したサイトカイン (GDF15)の活性化は膀胱組織炎症性細胞浸潤、膀胱組織線維化の程度や残存VUR合併率と相関することがわかった。すなわち、膀胱上皮ミトコンドリア機能はS状結腸利用拡大術後の膀胱組織機能維持やVURを含めた形態機能・リモデリングの重要な要素である可能性があることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度は、S状結腸利用膀胱拡大術と術後の膀胱生検を施行した症例のパラフィン膀胱組織を用い、炎症性細胞浸潤度 (HE染色)、線維化の程度 (マッソントリクローム染色)、及び免疫蛍光染色で検出したGDF15・HSP60について評価した。HSP60・GDF15発現に対する拡大術前後における膀胱容量・コンプライアンス・線維化の程度・炎症性細胞浸潤度・拡大術前VURおよび術後の残存VUR合併率との相関率を解析した。結果として、線維化の程度と低HSP60・GDF15陽性群の発現パターンが相関し、炎症性細胞はGDF15陽性群で有意に多く、さらに術後VUR合併率は高HSP60・GDF15陽性群で相関した。現在、これらデータをまとめ論文を投稿中である。上記のように成果を残してきているため、進徳状況区分としては「概ね順調である」とした。

Strategy for Future Research Activity

これまでの予備実験・成果をもとに以下の様に研究を進める。すなわち、令和6年度では組織の分子発現だけでなく、本研究内容に沿って新規に膀胱組織生検を行ってきた症例の組織から抽出したmRNA・タンパクを使い、予定していた炎症性マーカー・低酸素環境で活性化される分子にも注目して定量化解析を進める。また、網羅的解析としてバルクRNAシークエンスを行い、神経因性膀胱の組織リモデリングに重要な分子群・シグナルを詳細に解析する。これらと併せ、各症例の管理方法・尿路感染症の頻度や膀胱機能的数値 (コンプライアンスや容量)との相関性を検証し、今後の治療評価モニタリングや治療標的として有用になりそうな因子を検出していく予定である。

Causes of Carryover

令和5年度は、S状結腸利用膀胱拡大術後の症例からの生検組織検査・解析を重点的に進め、当初の予定にあった非手術神経因性膀胱例やコントロール群の生検後の解析の進みが遅延した。そのため組織解析に必要な物品費や人件費に今年度に使用しなかった額が生じた。また本年度の研究内容の成果は令和5年末より順次まとまっており、期間中の学会発表や論文作成に至らなかったため旅費、その他に未使用額が生じた。
令和6年度に次年度使用額を設定することとし、これまで蓄積・冷凍凍結してきた症例の組織・サンプルを用いて早急に分子発現解析やオルガノイド培養実験に取り掛かることで力強く本研究を進めていく予定である。また令和5年度の研究成果については令和6年5月から7月に開催される学会での発表が決定しており、論文も投稿中である。本年度未使用額については次年度で使用の見込みである。

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Published: 2024-12-25  

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