2023 Fiscal Year Research-status Report
運動が夜間多尿を改善させる分子病態メカニズムの解明と新規治療薬の創薬
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23K08756
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 倫央 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40759528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648015)
馬込 卓弥 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (20769731)
福原 慎一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20609870)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 夜間多尿 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は先行研究でNO低下と塩分負荷が夜間多尿をきたすことを明らかにしたが、薬剤(Nw-Nitro-L-arginine methyl ester hudrochloride:L-NAME)によるNO産生抑制は効果が強いと考えられたため、加齢とともに緩徐にNO産生が低下する老齢マウスを用いて検討する方針とした。まず、80週齢老齢マウスでは成熟マウスと比較しNO産生が有意に低下していることを明らかにした。続いて、80週齢老齢マウスに塩分負荷を与え、aVSOP(自由排尿行動記録)を用いて評価したところ、昼間多尿(マウスは昼夜逆転しているため)をきたすことを明らかにした。さらに、この老齢マウスを用いた夜間多尿モデルマウスに中等度の運動負荷を与えたところ、全身でのNO産生量を反映する尿中NOxが有意に増加することを明らかにした。そして、aVSOPを用いて排尿行動を評価したところ、中等度の運動負荷を与えた夜間多尿老齢モデルマウスでは、運動負荷を与えていない夜間多尿老齢モデルマウスと比較し、有意に中間多尿が改善していることを明らかにした。現在、その機序解明を目指し研究を進めている。先行研究で明らかにした腎局所のレニン・アンジオテンシン系の活性が運動負荷前後でどのように変化するのか評価を行う予定である。また、基礎研究と並行して、実際にヒトにおいて運動療法が夜間多尿に与える効果を調べるためにウェアラブルデバイスを用いた臨床研究を開始している。倫理委員会の承認を得たため、現在、夜間多尿患者のリクルートを開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず老齢マウスを用いた夜間多尿モデルマウスの確立に成功した。さらに、中等度の運動負荷が夜間多尿モデルマウスの中間頻尿を有意に改善させることを明らかにした。本年度は運動負荷が夜間多尿を改善させるメカニズムの解明を目指し研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
中等度の運動負荷が夜間多尿老齢モデルマウスの夜間多尿を改善させることが明らかとなったため、その機序解明を進めていく。同時に夜間多尿患者を対象とした運動負荷による臨床研究も進めていく。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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