2023 Fiscal Year Research-status Report
選択的スプライシング制御因子RBM10欠損による精子形成不全の分子機序解明
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23K08784
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
國本 浩之 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80372853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 考史 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40619798)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精子形成不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA-binding motif protein10(RBM10)はX染色体上に位置する選択的スプライシングの制御因子である。RBM10遺伝子の変異は、男児において出生前後に多くが致死となるX連鎖型先天異常のTARP症候群となるだけでなく、成人は種々のがんなどの疾病に関わることが報告されている。 そこで、我々は、成体におけるRBM10の役割を解明するため、タモキシフェン投与により時期特異的に全身でRBM10をノックアウト可能なRBM10コンディショナルノックアウト(RBM10cKO)マウスを作製し、解析を行った。その結果、出生後にタモキシフェン投与を行いRBM10cKOとなったオスマウスは野生型同様に成長したにも関わらず、精巣重量に著しい低下が観察されたことから、RBM10が正常な精子形成に必要な遺伝子であると推察された。 近年、少子化が日本の深刻な社会問題であり、挙児希望にもかかわらず不妊症と診断されるカップルが増加している。不妊症の原因の約50%は男性側にあるとされ、男性不妊症の中で最も割合が多い造精機能障害、すなわち精子形成不全は、その半分以上が原因不明である。 本研究では、RBM10欠損で発現が変動する精子形成に関わる遺伝子の同定とその分子機序を問うことで、男性不妊症となる原因を解明および治療法・診断法の礎を築くことを目標とする。 本年度は精原細胞分化マーカーとなる種々の抗体でマウス精巣切片の染色を行い、精子形成不全となる精子の分化ステージを求めた。またRNA-seq解析を行い、RBM10cKOにより発現が変動する遺伝子群を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全身でのRBM10cKOマウスを用いた解析が当初の予定通りに進んでおり、組織特異的RBM10cKOとなるマウスの準備も行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
精巣内の細胞特異的にRBM10cKOとなるマウスを作製し、精子形成を確認する予定である。更に、RBM10cKOマウス精巣よりGermline stem細胞を単離培養し、in virtoでの解析も行いたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた組織特異的Cre発現マウスをブリーダーからの購入ではなく、安価に共同研究先から入手することができたため、次年度使用額が生じた。しかし今後解析を進める上で、更に他の組織特的Cre発現マウスが必要である可能性が生じたため、こちらの購入に使用予定である。
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Research Products
(1 results)