2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢・過疎地域における訪問看護ステーション経営システムのレジリエンスに関する研究
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23K10220
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
前川 宣子 (河原宣子) 京都橘大学, 看護学部, 教授 (00259384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 宣明 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (30567756)
松本 賢哉 京都橘大学, 看護学部, 教授 (60454534)
野島 敬祐 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (70616127)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 訪問看護ステーション / 経営システム / レジリエンス・エンジニアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,特に訪問看護師側のレジリエンス向上に焦点を当てる.訪問看護ステーションは,多数のステークホルダーが相互作用し,変化する様々な状況に適応しながら機能を果たしている社会技術システムと考えられる.そこで,システムが変化や擾乱を吸収して正常な機能や平静を保つ能力を意味するレジリエンス(古田,2017)に着目し,訪問看護ステーションの経営システムにおけるレジリエンスを評価する手法を検討したい. 近年,レジリエンスエンジニアリングという考え方が提唱され,特に災害対策におけるBCPや医療安全,原子力安全等に関する分野で活用されている.レジリエンスエンジニアリングにおいては,複雑なシステム構造を有する組織における,対処能力・注意能力・学習能力・予見能力というシステムのレジリエンスを構成する4つの能力の重要性が示されており,持続可能な組織づくりには,特に対処能力が必要であると述べている. そこで,訪問看護ステーション経営システムにおけるレジリエンス分析評価グリッドを作成し,それを用いた評価を当事者参加型で検討する過程は,訪問看護ステーションの経営システムにおけるレジリエンス能力を見出し,高めるための有効な手段となるのではないかと考える.このことは,訪問看護ステーション経営の短期的な効率性より長期的な安定性を実現し,同時に,訪問看護ステーションが提供するサービスの質を維持することにもつながり,在宅療養者とその家族におけるQOLの維持・向上と,ひいては国民の健康・福祉に寄与することとなると考える. 2023年度は,訪問看護ステーション経営システムにおけるレジリエンス分析評価グリッドの作成について検討し,研究代表者が所属する大学での研究倫理審査委員会への申請書提出準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の目標であった訪問看護ステーション経営システムにおけるレジリエンス分析評価グリッドの作成については検討したが,研究代表者が所属する大学での研究倫理審査委員会への申請書提出については年度を超えた実施となった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が所属する大学での研究倫理審査委員会への審査結果への対応を終え,承認された後に,訪問看護ステーション経営システムにおけるレジリエンス分析評価グリッドを用いて,研究協力施設となる訪問看護ステーション管理者および職員と,当該訪問看護ステーションの経営システムにおけるレジリエンス能力の特性を把握する.さらに,訪問看護ステーションの経営システムにおけるレジリエンス能力において存在・関与する複数の要素を網羅的に抽出し,因果ループ図の作成を計画している.
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Causes of Carryover |
2023年度で実施予定であった倫理申請に遅れが生じているため.
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