2023 Fiscal Year Research-status Report
投球時の肘外反ストレスの増大は成長期野球肘発症の危険因子か?-前方視的研究-
Project/Area Number |
23K10604
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齊藤 明 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90591751)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成長期野球肘 / 肘関節 / 肘外反トルク / 危険因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、成長期野球選手を対象に加速度計を用いて投球時の肘関節外反トルクを計測し、トルク増大が成長期野球肘発症の危険因子であるかを検討する。投球時の肘関節外反トルクの増大は、野球肘発症に大きく関与するとされているが、明確なエビデンスはない。この関係が明らかになれば、今後成長期野球肘を予防する上で重要なデータになると考えられる。 令和5年度は本学主催の投球障害予防教室を6回開催し、約300名の少年野球選手に対して、投球時の加速度計を使用して全力投球時の肘関節外反トルクを計測した。また超音波診断装置を用いた上腕骨内側上顆の形態の確認および当該シーズンにおける疼痛の有無をもとに野球肘の発症や既往歴を調査した。加えて投球時の球速、上下肢の関節可動域、四肢・体幹の柔軟性などを計測し、質問紙にて身長・体重、年齢、野球歴、ポジション、練習状況を聴取した。今後、1年間の追跡調査を行い、令和6年度に再度野球肘発症の有無を調査し、統計学的解析を行う。令和5年度の対象者数のみでは不十分であるため、令和6年度にも同様の測定を実施する。 現在は、除外基準に該当する参加者を除外し、次年度に向けてデータの整理を行っている。次年度は、1年間追跡可能だったデータに対し統計学的解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度はおおよそ予定の対象者に対してデータ収集ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度も引き続き、300名程度の対象者に対して投球時の肘関節外反トルクなどを計測する。 令和5年度に計測し、除外基準に該当しない対象者は、1年間追跡し野球肘発症の有無を確認する。 これらのデータをもとに統計解析を行う。
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Causes of Carryover |
旅費として国内外の学会発表を予定していたが、引き続きCOVID-19の影響により国外学会での発表が出来なかった。繰り越しとなった予算については、次年度に英文校正料や雑誌掲載料、およびデータ計測時の人件費などに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)