2023 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative evaluation method for quality texture using area sensor
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23K11737
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
海老澤 瑞枝 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部マテリアル技術グループ, 上席研究員 (00510893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 和貴 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部マテリアル技術グループ, 主任研究員 (80633031)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 質感 / 表面性状 / 光学特性 / 光沢 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目は光沢感と表面の物理的特性の関係を明らかにするために,表面での散乱光の空間分布を取得し,粗さと紐づく光学的なパラメータを調べた.偏光カメラを検出器用い,人の視覚感度の最大波長に近い530nmの半導体レーザを光源として,入射・検出角を独立に変える散乱光の計測系を構築した.測定の幾何学的条件,入射偏光状態,散乱光の光学特性(強度,位相差,直線偏光度など),画像特性(コントラスト,対称性,RMS値など)と粗さパラメータ(Ra,Rz,Rc,Rsm)について,統計的な手法で相関の大きな組み合せを探索した. Rz0.4~6.3の鏡面から微鏡面のペーパー仕上げの金属面においては,直線偏光度画像および位相差画像のRMS値と算術平均粗さRzの間で強い相関(相関係数の絶対値で0.9)があることを見出した.また,今回着目した評価パラメータでは,光源波長以下の粗さにおいて感度が高いことが示されている.サブμm以下の粗さは,人の目で反射像が確認でき高光沢と感じられ,かつ産業的には加工コストの変化が大きい粗さの領域であるため,産業上有用な計測とするためには,今回見出だした評価パラメータの有効範囲を明確する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた質感評価のための測定系を構築し,金属材料に限定してはいるが,光沢・つやといった質感の支配的な表面物性である粗さと相関のある画像情報(評価パラメータの候補)見出すことができ,概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目で見出した粗さの評価パラメータについて,さらに粗さが小さい高精度仕上げ面や金属以外の樹脂材料などの測定を行い,光沢と粗さに着目した評価方法の有効範囲を調べる.また,2年目は申請時の予定通り高輝感に着目して波長オーダの周期構造をもつ表面の評価を行う.1年目の段階で,表面構造が規則的となる機械仕上げによる表面では回折による角度分散が生じるため単一波長かつ入射・検出角固定の条件では散乱光情報を取得するのが難しいことが分かっている.そのため,検出角を走査する,分光特性を取得するなどの方法で表面の物理的特性と関連する散乱光分布の情報を得る.最終年度ではこれらの物理特特性と紐づく評価パラメータと質感を表す言語情報との比較を行い,質感の評価方法の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
測定系の構築において,納品に時間がかかるものがあったため,仮で手元にあった筺体部品や光学部品を利用してシステムを構築したため当初予算と差額が生じた.次年度は仮部品を戻して,繰り越した分の予算を本研究用の物品購入に充てる予定である.
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