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2023 Fiscal Year Research-status Report

An Analysis of Bond Price Formation Process Considering Stock and Bond Market Liquidity Risks

Research Project

Project/Area Number 23K12501
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

KEVKHISHVILI RUSUDAN  京都大学, 経済学研究科, 講師 (60896083)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords流動性リスク / 信用リスク / 株式価値 / 社債価格 / ディーラー / 最終利回り
Outline of Annual Research Achievements

2023年度の研究実施計画通り、株式市場の流動性と企業の収益力が株価に与える影響を明示的に区別する株式価値モデルを構築した。株式市場の流動性と企業収益力は別々の拡散過程を用いてモデリングした。特に、前者は、株式市場全体における株式の買い値と売り値の差の平均を記述する拡散過程で表した。株式価値のモデルは、企業収益力に関連する情報に基づいて株式を取引する投資家と流動性に関連する情報に基づいて株式を取引する投資家それぞれの需要関数に基づいて作成した。企業の内在的財務状況を表す本モデルは、社債ディーラーに発行体の債務返済能力を評価するツールを提供する。

株式市場のデータ、財務諸表及び本研究のモデルから推定される株式価値を用いて、企業の総資産価値の変動を表す拡散過程のパラメータを推定することができる。また、デフォルト時における総資産価値の分布を求めることが可能であり、この分布は社債発行体の債務返済能力について重要な情報を与える。

更に、株式価値の分散は総資産価値の分散パラメータの推定値に大きな影響を与えることが確認できたため、信用力評価における総資産価値の分散の役割を詳細に分析した。具体的には、標準的な総資産価値モデルとの比較によって、負のショックの影響を明示的に考慮する総資産価値モデルの分散の特徴を分析し、モデルの仮定の検証を行った。分散パラメータと信用力評価の関係を明確にし、パラメータ推定に用いられる株式価値の適切な推定の重要性を確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度に構築した株式価値のモデルは、株式市場の流動性リスクを明示的に考慮した上で、発行体の債務返済能力を評価する。本モデルを基に、レバレッジ比率(総資産価値に占める負債の割合)と株式市場の流動性リスクが社債発行体のデフォルト確率の推定値に与える影響は分析可能である。このように、2024年度において株式市場の流動性リスクを考慮する社債発行体信用力の評価方法を研究する準備が整っていると言える。

Strategy for Future Research Activity

2024年度において、社債のディーラーによる価格決定メカニズムにおける流動性リスクの影響のモデリングを行う。2023年度の研究結果を基に、株式市場の流動性リスクを考慮する社債発行体信用力の評価方法、及び債券市場流動性リスクを考慮する社債の買い値と売り値の決定方法を研究する。具体的には、レバレッジ比率を表す確率過程を用いて、デフォルト確率の推定における株式市場流動性リスクの影響を数値化する。また、社債の買い値と売り値の乖離に対する国債市場流動性リスクの影響を社債価格モデルに明示的に含める方法を探究する。このように、株式市場及び債券市場の流動性リスクに関してディーラーがもつ情報と社債価格形成過程の関係を明示的にモデリングし、二つの流動性リスクが社債価格に与える影響を同時に考慮する社債価格モデルを考案する。

2025年度において、証券市場データ及び財務諸表に基づく社債価格モデルのパラメータ推定方法を研究する。また、社債の利回りのうち、株式市場及び債券市場の流動性リスクに対する補償として発生する部分の検出手法を考案する。この検出方法を用いて、社債価格に対する流動性リスクと信用リスクの影響を同時に分析するフレームワークを提供する。

Causes of Carryover

本研究課題に関する成果は2024年度の国際研究集会で発表する予定であり、2023年度における外国旅費としての支出額はゼロであった。生じた次年度使用額は2024年度の外国旅費として使用する予定である。

Remarks

2023年度に公開した二本のプレプリント(著者:M. Egami, R. Kevkhishvili)
"A Forward-Looking Measure of Credit Risk" (SSRN)
"Post-Last Exit Time Process and its Application to Loss-Given-Default Distribution" (arXiv)

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] A Forward-Looking Measure of Credit Risk2024

    • Author(s)
      Kevkhishvili Rusudan
    • Organizer
      第60回 2023年度冬季 JAFEE(日本金融・証券計量・工学学会)大会
  • [Presentation] A Forward-Looking Measure of Credit Risk2023

    • Author(s)
      Kevkhishvili Rusudan
    • Organizer
      日本ファイナンス学会第5回秋季研究大会
  • [Remarks] 研究者個人サイト

    • URL

      https://www.kevkhishvili.com/

URL: 

Published: 2024-12-25  

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