2023 Fiscal Year Research-status Report
Smart Nano-carrier for drug delivery system encapsulating peptide drug with high-efficiency
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23K13803
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
奥野 陽太 関西大学, 化学生命工学部, 助教 (60964814)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ペプトイド / ペプチド / コアセルベート / タンパク質 / DDS / ドラッグキャリア / 内包 / 分子集合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ペプトイドを構成要素とする分子集合体を作製し、水素結合を介してペプチド薬を高効率で取り込めるドラッグキャリアを作製する。全てのペプチドはアミド結合を有しているため水素結合を取り込み駆動力とするキャリアを作製できれば、高効率でペプチド薬剤を内包できると期待される。これにより現在のドラッグキャリアの課題である内包効率の低さを克服することを目標とする。 本年度はマルトオリゴ糖とポリサルコシンから成る両親水性ブロックコポリマーを合成、これを用いてコアセルベートを作製しタンパク質取り込み効率及び内包安定性の評価を行った。結果、マルトトリオースとポリサルコシンから成る両親水性ブロックコポリマーは粒径数百nmの微細な会合体を形成した。動的光散乱測定によりこの球状体の流体力学的サイズは数百nmであるとわかり、TEM測定から本会合体は膜を持たないコアセルベートであることを確認した。そこで、モデルタンパク質である蛍光修飾したペルオキシダーゼの内包化に取り組んだ。手法としては両親水性ブロックコポリマー薄膜にペルオキシダーゼ緩衝水溶液を添加した後静置するだけの極めて簡便な方法である。サイズ排除クロマトグラフィーによる分離から内包効率は30%と期待通りの高効率であった。異なるタンパク質を用いた場合でも同様に高効率で内包できるのかを確認するため牛血清アルブミンで評価をしたところやはり内包効率は30%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、両親水性ブロックコポリマーからコアセルベートを形成させ、その内部に高効率でタンパク質を内包できたため、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本コアセルベートは希釈に対しての安定性がそれほど高くないことが判明している。実用的なドラッグキャリア開発のために、ペプトイドの分子設計により安定性の向上を図る。
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