2023 Fiscal Year Research-status Report
ATLLにおけるPRKCB・CARD11変異共存の臨床的/機能的意義
Project/Area Number |
23K15304
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
崎浜 秀悟 琉球大学, 医学部, 助教 (30835129)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 成人T細胞白血病・リンパ腫 / TCR/NF-κB経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
ATLは、HTLV-1キャリアの一部が発症する末梢性T細胞悪性腫瘍である。ATL細胞における遺伝子変異はT cell receptor/nuclear factor-κB (NF-κB) 経路関連分子に集積している。特に、PRKCBおよびCARD11の変異は高頻度に検出され、同一症例に併発することが多く、腫瘍細胞の発生・進展に寄与していることが強く疑われる。そこで本研究では、PRKCBおよびCARD11における変異がタンパク質機能および臨床病態に及ぼす影響を解析している。 先行研究におけるコホートを用いた予備解析では、PRKCB変異はCARD11 Coiled-coilドメインの変異と有意に共存していたが、抑制性ドメインの変異とは関連が見られなかった。そこで、再現性を確認するために新たにaggressive ATLの症例を蓄積し、ターゲットシーケンスおよびlong-PCRによる両遺伝子の変異について解析中である。現在のところ50例のサンプルに対する遺伝子変異の検出が完了している。 両遺伝子における変異がタンパク質機能に及ぼす影響を解析するために、ATLにおいて高頻度に報告されているPKCβ変異体1種 (p.D427N) 、およびCARD11変異体4種 (p.D230N, p.D401N, p.S585_R467del, p.F902C) の発現ベクターを作製し、細胞株を用いた検討を進めている。予備実験で実施したHEK293T細胞株を用いたルシフェラーゼアッセイで、相加的にNF-κBを活性化させた両変異の組み合わせについて、ATL細胞株を含むリンパ球系の細胞株で再現性を確認中である。また、両遺伝子の変異の組み合わせにより、CARD11に動員されるタンパク質に違いがあるか検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
リンパ球系細胞株に対する遺伝子導入のハードルが高く、条件検討に時間を要している。共免疫沈降法の実験系の確立を進めているが、効率よく目的のタンパク質をキャプチャーできる抗体、ならびにビーズが見つからず、苦慮している。また、自身が所属する琉球大学医学部移転に伴う業務、ならびに移転準備があり、実験を行なう時間の確保が難しくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
Aggressive ATLの症例を引き続き蓄積し、PRKCBおよびCARD11における変異同士の関連、およびそれらが臨床病態に及ぼす影響を解析する。また、リンパ球系細胞株に対する遺伝子導入について他施設の研究者に相談しており、より効率の良い遺伝子導入法を教わり検討する予定である。共免疫沈降法についてはまだ試していない抗体・試薬があるため、順次検討する。
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Causes of Carryover |
実験の遅れから当初予定していた試薬の購入が遅れたため、次年度に使用したい予算が生じた。今年度は臨床検体を用いた解析についてさらなる症例の蓄積を進めるとともに、引き続き実験条件を検討する。
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