2023 Fiscal Year Research-status Report
Health economic evaluation of radiation therapy and chemotherapy in pancreatic cancer
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23K16297
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宅本 悠希 明治薬科大学, 薬学部, 客員研究員 (10880172)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 費用対効果 / 膵臓がん / QOL / 化学療法 / 放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下2つの研究を実施した。「①膵臓がん治療薬におけるシステマティックレビュー(SR)における定義作成及びSRの予備調査」及び「②がんに伴うQoL値調査の予備調査」である。 ①膵臓がん治療薬におけるSRにおける定義作成及びSRの予備調査:局所進行性膵臓がんを対象とした化学放射線療法及び化学療法の臨床試験からそれぞれのデータを統合したSRを実施するべく、各治療レジメンについて諸外国で実施された調査研究を収集し、各種学術論文データベースの検索式作成及び患者定義の検討を行った。分析対象治療レジメンは本邦の膵臓がん診療ガイドライン2022で推奨もしくは提案される化学放射線療法及び化学療法の治療レジメンとした。予備調査の結果、化学放射線療法の主要な臨床試験は11試験、4レジメンの治療レジメンが存在し、化学療法の主要な臨床試験は8試験、4レジメン存在することが明らかとなった。今後のSR及びネットワークメタアナリシスではこれらの治療介入を対象とした分析を実施する。 ②がんに伴うQoL値調査の予備調査:治療の主な目的が延命である膵臓がんでは、患者報告アウトカムにおける影響も注目を集めている。その中で新規治療に対する治療効果の期待(Value of hope)が患者のQoLに与える影響が諸外国で示唆されている。一方で本邦におけるがん患者を対象としたValue of hopeの研究調査は殆ど行われていない。そこで日本におけるValue of hopeの実態を調査すべく、がん患者を対象とした質的アンケート調査のFeasibility調査を実施した。調査の結果、乳癌、肺癌、消化器癌を中心に、患者数の多い幾つかの癌腫を対象とした質的調査の実施可能性が示唆された。一方で、患者数の少ない癌腫に対しては充分なアンケート調査の実施が困難であり、より詳細なサンプルサイズの推定が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年はSRの本調査の実施及びQoL調査のデータ収集を行う予定だったものの、SRでは対象患者の特定に時間を要しており、予備調査を行ったことから来年度以降に予備調査結果を踏まえた本調査の実施予定となっている。また、QoL調査では、本邦における癌患者を対象とした調査を検討しているものの、必ずしも充分なサンプルサイズの収集が可能かどうか、事前の調査が必要であり、本年はその部分を明らかにする必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施したSRの予備調査及びQoL調査の事前調査結果を踏まえて、検索式の定義について方針が纏まったことから、本件はSRの本調査の実施とNMAの実施可能性について検討を行う。また、QoL調査についても、事前調査により複数の癌患者を包括的に網羅した形式でアンケート調査を行うことで、日本人におけるValue of hopeの実態を明らかにできると想定している。
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Causes of Carryover |
本年は予備調査及び事前調査が中心であったため、高度な統計解析及びデータ解析を必要とする物品機器の購入及び外部委託によるデータ収集を来年度に見送ったためである。 次年度はSRの解析作業及びQoL調査のデータ収集及び解析作業が発生すると想定されることから、各種解析に活用するPC及びその関連機器を準備すると共に、外部委託によるアンケート調査の実施を検討している。
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