2023 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養者における下肢褥瘡の外力コントロールのためのケアアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
23K16384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 言 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80801951)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 高齢者 / 在宅療養 |
Outline of Annual Research Achievements |
褥瘡管理において外力(圧力・せん断力)のコントロールは、最も重要なケアである。しかし、在宅や介護保険施設において、座位が可能など寝たきりではない褥瘡保有者が増えており、マットレスやクッションなどの従来の体圧分散寝具だけでは外力をコントロールできていないと言える。在宅療養者が増えている中、そのような褥瘡保有者において、いつ・どのような外力が褥瘡発生を引き起こしているのかを評価することは容易ではない。先行研究において、ベッド上での圧力を持続的に計測した報告はあるが、ベッド上以外の状況で、日常生活において褥瘡部に加わる圧力・せん断力を継続的に測定した報告はない。本研究は、在宅や施設の高齢者で多くみられる下肢の褥瘡に焦点を絞り、(目的1)下肢褥瘡部の外力(圧力・せん断力)を日常生活で持続的に非侵襲的・非拘束で計測可能な方法の確立、(目的2)在宅療養者における下肢の褥瘡の実態解明、(目的3)下肢の褥瘡部への外力を低減させるケアアルゴリズムの開発、を目的とする。本研究により、下肢の褥瘡の原因となっている外力を低減させることが可能となり、ひいては下肢の褥瘡予防に繋がることが期待できる。 2023年度は、(目的1)下肢褥瘡部の外力(圧力・せん断力)を日常生活で持続的に非侵襲的・非拘束で計測可能な方法の確立のため、複数種類の外力を計測するセンサーの検討を行い、下肢への貼付方法・使用する素材の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測方法の確立には至っていないが、複数のセンサーについて詳細な情報収集と試用を行い、センサーに求める条件(褥瘡・皮膚を損傷しない「薄くて柔らかい」センサー、高齢者の日常生活の動きを長時間妨げない方法で使用可能)をバランスよく満たすように、センサー貼付方法も含めて最適な方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
計測方法を確立し、計画通り、在宅療養者における下肢の褥瘡の実態解明、下肢の褥瘡部への外力を低減させるケアアルゴリズムの開発へと研究を進める。
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Causes of Carryover |
次年度の実態調査に使用するセンサーとして同一センサーを複数個購入する計画であったが、2023年度はセンサー・貼付方法の検討段階であったため、同一のものを複数購入することは行わなかった。そのため次年度使用額が生じたが、それらは次年度に調査用のセンサーを複数購入するために使用する。
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