2023 Fiscal Year Research-status Report
Evoking smiles in the older adults: challenges from dentistry using machine learning and natural experiments
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23K18370
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 研時 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10712680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 笑い / 歯数 / 義歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国の高齢住民を対象とした多地域コホート研究であるJAGESプロジェクトの収集データを用いて、口腔の状態と日常生活における笑いの頻度との関連を評価した。解析対象者は65歳以上の高齢者のうち、日常生活において介助を必要としない157,708名であった。日常生活における笑いの頻度は「普段の生活で、声を出して笑う機会はどのくらいありますか」という質問に対して、「ほぼ毎日」・「週に1~5回程度」・「月に1~3回程度」・「ほとんどない」の4択で回答を得た。歯の数および入れ歯の使用有無と日常生活における笑いの頻度との関連は、修正ポアソン回帰分析を用いて検討した。分析の際に、年齢、性別、既往歴(高血圧・糖尿病)、喫煙、飲酒、婚姻状況、独居、社会参加、抑うつ傾向、教育歴、等価所得の影響を調整した。日常生活においてほとんど笑わないと回答した人は、9,129名(5.8%)であった。歯が20本以上の人と比べ、歯が0~9本で入れ歯を使っていない人は日常生活でほとんど笑わない人の割合が1.29倍多く、歯が10~19本で入れ歯を使っていない人では1.14倍多いことが明らかになった。また、歯が19本以下でも入れ歯を使っている場合、日常生活でほとんど笑わない人の割合は、歯が20本以上の人と差がなかった。このことから、歯が少ないことで日常生活における笑いの頻度が低下すること、そして入れ歯の使用には笑いの頻度低下を防ぐ可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたJAGESプロジェクトの2022年度調査について、データクリーニングが完了し、データが利用可能な状態となり、解析まで進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年追跡のコホートデータセットから、処置変数の変動に影響を与えるが、結果変数(笑いの頻度の維持・改善)には直接影響を与えない操作変数を選択し、笑いの頻度の維持・改善への歯科治療の因果効果を推定する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた調査は無事に完了した一方で、調査費用の一部を他の研究費から補填できたため、結果的に調査費用の出費が抑えられた。また、次年度の解析で用いる操作変数の候補を当初の予定より拡大するため、追加調査を行う必要があると判断し、次年度使用額が生じた。
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