2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01480
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野原 慎司 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (30725685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 晃大 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任研究員 (20803753)
吉川 洋 立正大学, 経済学部, 教授 (30158414)
原谷 直樹 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (30707138)
有江 大介 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (40175980)
西部 忠 専修大学, 経済学部, 教授 (50261269)
瀧澤 弘和 中央大学, 経済学部, 教授 (80297720)
寺川 隆一郎 帝京大学, 経済学部, 講師 (80794172)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 制度 / 経済哲学 / アダム・スミス / J. R. コモンズ / パース / ニュートン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、下記の研究会を実施することを通じて、制度の哲学的基礎研究を推進した。2021年7月4日には、山本修氏(ユニゾンキャピタル)が「バブルとは何か?資産価格変動研究への新たなアプローチの可能性」と題して、既存の経済学のアプローチは、実際に経済を捉える際、とりわけ金融現象を捉える際には、不十分であり、新たなアプローチが必要なことを議論した。研究分担者の西部忠は、「脱国家通貨の時代」と題して、貨幣論という制度の思想の本質に迫った。2021年9月23日には、研究分担者の報告者:阿部晃大が「J.R.コモンズのプラグマティズムから何を学べるか―意志的な経済理論と学習環境としての資本主義―」との題で、コモンズ研究の観点から制度とは何かの哲学的探究をおこなった。 2021年11月23日には、玉手慎太郎(学習院大学)氏が「アマルティア・センの経済哲学:センは経済学の何を変えようとしたのか?」と題して、センの経済哲学の観点から制度の探究をおこなった。研究分担者の原谷直樹は、「方法論的個人主義と制度」と題して、経済学方法論の観点から、制度論の20世紀における底流にある思想を明らかにしようとした。研究分担者の有江大介は、「アダム・スミスにおける自然神学的ニュートン主義:調和・斉一・法則」と題して、アダム・スミスのニュートン主義という観点から報告をおこなった。さらに、2022年2月8日には、研究分担者の吉川洋と瀧澤弘和による、経済学のあり方と制度についての対談を実施した。これらの講演・対談のうち、研究分担者によるものは、研究報告として刊行予定の本『資本主義は生き残れるのか』に収録予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度にコロナ禍により一部研究の進展に遅れが見られたことを挽回するために、積極的に研究会合をおこなった。それにより、かなりの程度、研究の遅れが挽回された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、引き続き、研究報告として刊行予定の本『資本主義は生き残れるのか』の準備に取り組む。そのための研究会合も予定している。また、そのための対談も実施する予定である。 さらに、英文雑誌での制度の哲学的基礎研究についての特集号を組んでもらうための準備も行うつもりである。そのために、フィンランドより長津十氏(ヘルシンキ大学)を招聘し、講演していただいたうえで、打ち合わせを実施する。
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