2021 Fiscal Year Annual Research Report
我が国企業経営における「過去の経験」と「企業人の行動」に関する実証分析
Project/Area Number |
20H01539
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西村 陽一郎 中央大学, 商学部, 准教授 (10409914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健嗣 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (00408692)
蟹 雅代 帝塚山大学, 経済経営学部, 准教授 (20509187)
山内 勇 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (40548286)
大西 宏一郎 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60446581)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 職務経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CEOの知財活動に関する職務経験が、特許戦略行動にどのような影響を及ぼすのかを検証することを1つの目的としていた。本年度の研究計画としては、過去の研究にもとづいて仮説を構築し、そして構築された仮説を昨年度に整備したデータを利用して予備的な実証分析を行うことであった。 まず、本研究では、アッパーエシュロン理論を使って、知財活動に関する職務経験がCEOの行動にどのように影響し、結果として、どのような影響が期待されるのかを仮説にまとめた。アッパーエシュロン理論とは、その企業の経営トップや経営陣の個性・特性・職務経験などが企業の行動・パフォーマンスに大きく影響を及ぼすといった理論である。 次に、本研究では、予備的な分析を行った。予備的な分析によれば、知財活動に関する職務経験があるCEOに交代すると、そうでないCEOに交代した場合と比較して、知財マネジメントは交代後数年間大きく変動することがわかっている。そして、どちらかというと、知財経験といった職務経験がCEOにあると、意外なことに知財マネジメントが消極的であることが明らかとなった。 企業の知財部は特許出願を1つの目標にしているため、知財部任せだと過大な特許出願になりがちである。しかし、本研究の予備的な分析結果は、CEOの知財活動の職務経験によって、知財部による過大な特許出願に歯止めをかけられることを示唆する。そして、ヒトの過去の経験によって、ヒトの行動が変化することも示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、各研究者ともに昨年度にひきつづき、オンライン講義への対応等で本研究課題に対する十分なエフォートを確保するのが難しかった。その上、新型コロナウィルスの影響により、移動も制限されたため、対面での共同研究者間の議論も十分に行うことができない状況であった。また、海外学会への参加がオンラインとなり、対面でのネットワーキングができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況がかなり改善されてきたこともに伴い、各研究者のオンライン講義への対応等の負担が軽くなりつつある。また、同状況がかなり改善されたこともあり、移動の制限も緩和されつつある。したがって、このような改善状況が今後の研究促進につながりやすいと期待される。
|
Research Products
(18 results)