2020 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の「見る力」が書字行動獲得過程に及ぼす影響-英単語の学習を通して-
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20H01668
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
鶴巻 正子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高浜 浩二 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (40616299)
丹治 敬之 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (90727009)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 書字 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害のある子どものなかには,網膜から視覚刺激を取り込み脳にその視覚刺激を伝達する過程である“sight”と能動的な視覚体験に基づく“vision”の複数の範囲で課題が生じている場合がめずらしくなく,十分な視覚経験を積んでもうまく発達しない場合もあることが先行研究において指摘されている。本研究は描線や書字の困難さを「眼球運動」「形態知覚・空間知覚」「目と手の協応」など「見る力」との関係から横断的にとらえ,発達障害に共通する因子として「見る力」に着目することで,LD傾向や不注意傾向の子どもに応じた書字支援のあり方を実証的に検討することを目的としている。発達障害のある子どもが苦手とするアルファベットや英単語の学習を十分な視覚経験を積んでもうまく発達しにくい「見る力」の原因を“vision”の観点から明らかにし,その観点に基づく指導法を開発しようと試みるものである。 令和2年度は研究代表者及び研究分担者が共同研究の継続により開発してきた描線・書字課題のアプリを再度見直しアプリの修正をするとともに,発達障害の子どもの「見る力」に注目した英単語のスペリング学習の指導方法として適切なアプリかどうか検討することを目的とした。質問紙調査等を依頼するための新たな協力校の開発はCOVID-19の拡大により今後の継続事項となったが,描線・書字課題,スペリングのアプリは見直しても現在のところ大きな修正点が見当たらない。また,福島大学,作新学院大学,岡山大学のそれぞれがこれまで開発した研究フィールドは今年度も継続して依頼できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度はCOVID-19の拡大により令和3年度以降に予定した質問紙調査等を依頼するための新たな協力校の開発が難しかったが,当該年度の最大の目的だった研究代表者及び研究分担者がこれまでの共同研究により開発してきた描線・書字課題のアプリを見直しをするとともに,発達障害の子どもの「見る力」に注目した英単語のスペリング学習の指導方法として適切なアプリかどうか検討することができたため,(2)おおむね順調に進展していると判断した。今年度以降に実施を予定している質問紙調査等を依頼するための新たな協力校の開発は,今後のCOVID-19の感染拡大の状況を十分にふまえて慎重に検討していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
学校現場での質問紙調査や幼児,児童生徒を対象とした個別の実践的研究による指導法の開発については,各地域でのCOVID-19の感染拡大の状況を十分にふまえて慎重に検討していくこととする。
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Research Products
(5 results)