2021 Fiscal Year Annual Research Report
Regional Intervention Study on Oral Function Improvement and Nutrition Improvement Program at the Place of Commuting
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20H03873
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 裕 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90250464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30297361)
本川 佳子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60782026)
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
小笠原 克彦 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90322859)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 通いの場 / 口腔機能向上 / 栄養改善 / 地域介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
「げんき発見ドック」は令和3年9月と令和4年2月に実施予定であったが、どちらもCOVID-19による度重なる感染拡大と岩見沢市のワクチン接種等への対応によって中止となった。そこで令和2年10月に実施した「げんき発見ドック」の参加者232名のデータ分析を行った。COVID-19に関連したストレス、運動習慣と口腔関連QOLとの関連を口腔関連QOL低下に対する有病割合比で検討したところ、COVID-19関連ストレスと運動習慣の欠如の併存(aPR 2.20、95%CI 1.31-3.69)と口腔関連QoL低下が有意に関連していた。オーラルフレイルと口腔カンジダ(C.albicansとC.glabrata)の保菌状態との関連を検討したところ、C.alb(-)&C.glab(-)群とC.alb(+)orC.glab(+)群間で年齢(odds ratio [OR], 1.08; 95% confidence interval [CI] 1.02-1.14, p=0.007),義歯の使用(OR 2.13; 95% CI 1.10-4.11; p=0.025)で有意な関連が認められた. C.alb(-)&C.glab(-)群とC.alb(+)&C.glab(+)群間においても、年齢(OR 1.17; 95% CI 1.06-1.29; p=0.002)と義歯の使用(OR 51.30; 95% CI 6.38-412.41; p<0.0001)で有意な関連が認められた。本結果については論文化しGerodontology. 2022 Mar;39(1):49-58にて公開した。参加者の市販の弁当や総菜の活用状況の分析では、脂質、炭水化物摂取量は弁当、総菜等の活用が多いほど高値を示し、カリウム、マグネシウム、α-トコフェロール、葉酸、ビタミンC、食物繊維総量は自炊が多いほど高値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
北海道岩見沢市がCOVID-19の感染拡大と、それに伴うワクチン接種事業に追われ、令和3年9月と令和4年2月に実施予定であった「げんき発見ドック」はどちらも直前で中止となった。令和4年2月の調査は事前の郵送調査は行ったが、対面調査は実施できなかった。このため研究事業のスケジュールに遅れが生じている。しかし、令和2年10月に行った調査においてCOVID-19に関する影響を追加し、横断データを分析したところ、有意な結果が得られたことから、論文化し国際誌に投稿した。COVID-19関連の知見については、多くの国際誌が積極的に採用しいることから、成果の公開については、当初の予定よりも早くなると思われる。オーラルフレイルと口腔カンジダの保菌状態との関連については、すでに国際誌で公開されており、成果の公開は、当初の計画よりも順調に進捗している。歯科衛生士、管理栄養士による口腔機能向上・栄養改善プログラムと食事栄養指導については、本年度も通いの場がCOVID-19によって自粛となったこと、令和3年9月と令和4年2月に予定していた事後評価が、COVID-19の感染の再拡大により中止となったことから、プログラムの効果検証はできなかった。代わりに自宅でのセルフプログラムと郵送によるプログラム実施状況の確認、フィードバックを継続し、令和4年5月に1年6か月後の効果検証を行う予定とした。自宅でのセルフプログラムと郵送によるプログラム実施状況の確認、フィードバックに関するデータを収集、分析とこれらを元にした口腔機能向上・栄養改善プログラムと食事栄養指導のマニュアルの改訂は継続して行っている。通いの場における口腔機能向上・栄養改善プログラムと食事栄養指導の効果検証は次年度に持ち越しとなったが、本研究事業の目的に沿った成果を上げるべく、適宜研究内容、方法を修正し、研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究事業の主体である「げんき発見ドック」については、令和4年5月、9月、令和5年2月の実施に向けて準備している。令和2年の参加者は当初予定の半年後の評価は行えなかったが、令和4年5月に1年6か月後の評価を実施し、口腔機能向上・栄養改善プログラムと食事栄養指導の自宅でのセルフプログラムの効果を検証する。令和4年の新規参加者255名は予定通り募集し、ベースライン調査を実施し、歯科衛生士、管理栄養士による口腔機能向上・栄養改善プログラムと食事栄養指導(月1回の通いの場における集団および個別指導と、自宅でのセルフプログラム)を6カ月間実施する予定である。また令和2年度と同様、COVID-19の生活等への影響に関する調査項目も継続し、COVID-19の影響が継続している状況、影響から回復していく過程を通いの場における指導やプログラムの効果とともに検証する。今後は感染症への対応も考慮し、効果的な自宅でのセルフプログラムの開発検証も行っていく必要があることから、自宅でのプログラムの継続とそれによる効果も別に検証を行っていく。 令和2年の参加者の事後調査を令和4年5月に実施し、口腔内細菌叢とオーラルフレイルとの関連を縦断的に検討していく。COVID-19に関連したストレス、運動習慣の状況と包括的口腔関連QOL尺度との関連については、口腔機能向上・栄養改善プログラムに運動プログラムなども複合させた場合の効果についても検討していく予定である。 市販の弁当や総菜の活用や欠食の状況別の栄養指導チャート案を作成し、栄養改善プログラムに導入し、その効果を検証する。COVID-19によって外食の自粛があったことから、内食、中食等の比率が上がったが、今後は外食の比率も回復してくるものと思われ、それによる、栄養、身体組成、機能への影響についても検討し、プログラムやマニュアルの改訂に反映させていく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Oral frailty and carriage of oral Candida in community-dwelling older adults (Check-up to discover Health with Energy for senior Residents in Iwamizawa; CHEER Iwamizawa)2022
Author(s)
Baba H, Watanabe Y, Miura K, Ozaki K, Matsushita T, Kondoh M, Okada K, Hasebe A, Ayabe T, Nakamura K, Nakaoka S, Ogasawara K, Suzuki T, Saito H, Kimura T, Tamakoshi A, Yamazaki Y
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Journal Title
Gerodontology
Volume: 39
Pages: 49-58
DOI
Peer Reviewed