2020 Fiscal Year Annual Research Report
Spatio-temporal modulation imaging toward measurements of shape and physical properties
Project/Area Number |
20H04215
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
高谷 剛志 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 特任研究員 (90809758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青砥 隆仁 筑波大学, システム情報系, 助教 (00785462)
鄭 銀強 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (30756896)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンピュテーショナルフォトグラフィ / コンピュータビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主課題は,照明光を時空間的に変調する新しい枠組み「時空間変調イメージング」の基盤確率である.これを実現するため,プロトタイプシステムの構築,キャリブレーション手法の開発,観測モデルの構築,形状・物性計測手法の開発という項目に分けて研究を進めている.本年度は,2軸ガルバノミラーと半導体レーザを用いた光源モジュールに加えて,間接Time-of-Flight方式用センサを時間同期したプロトタイプシステムを開発した.併せて,表面下散乱の小さい材質の既知形状物体を用いることで,観測される波形の時間的位相差と空間的位相差を明らかにするキャリブレーション手法を開発した.また,開発したプロトタイプシステムを用いることで,散乱係数の異なる半透明な既知形状物体を対象に計測実験を行い,時間的および空間的な位相差に違いが発生することを確認した.将来的な発展のため,時空間的な変調の応用として,二波長光源の時間的変調とイベントカメラを用いた二波長吸収差分イメージングを提案した.イベントカメラは一般的なカメラとは異なり,輝度変化を捉えることに特化した新しいデバイスで,高ダイナミックレンジ,高時間分解能,省電力という特長を持つ.これまで,三次元計測や高ダイナミックレンジ画像計測といった応用が多い中で,照明系と組み合わせた能動計測はなかった.提案手法では,イベントカメラの内部回路が対数増幅と時間差分によって構成されている点に着目し,波長の異なる光源の強度を時間的に変調することによって,材質による二波長吸収差分値をイベント情報として直接的に計測することに成功した.また,二波長吸収差分値から水中物体の形状計測や混合溶液の濃度計測が行えることを実験的に示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,スキャン式ミラー光学系を用いた空間変調照明の実現およびキャリブレーション手法の開発,実験に基づく観測モデルの構築,形状・光学特性計測手法の開発を目標としていた.目標に対して,二軸ガルバノミラーを用いたプロトタイプシステムの構築および時空間位相差のキャリブレーションの実施を行い,実際に半透明物体の計測を行った.また,光源波長を時間的に変調することによって,水中形状計測手法を提案した.したがって,おおむね順調に進展していると考える.一方で,パンデミックの影響で,出勤不可能となり,大掛かりな実験系を組むことができなかった.また,予定していたインターン生の確保が困難となったため,実験によるデータ収集の量が予定よりも減少した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,計測したデータに基づいて,形状と材質に依存する時空間的な位相差のモデル化に挑戦する.その後,構築したフォワードモデルに基づいて,計測された時空間的な振幅・位相の情報から,形状と材質を復調するインバース問題に取り組むことを予定している.一方で,光の波動的挙動を説明する物理理論式から形状と材質の要因をパラメータとして,提案する時空間変調イメージングによる観測を理論的にモデル化することにも挑戦する.また,形状と材質のみでなく,物体内部構造を計測するための手法についても開発を進める.
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Research Products
(3 results)