2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a Digital Literary Map and its Application to the Study and Education of Japanese Classical Literature.
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21H00506
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯倉 洋一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40176037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 薫 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30546247)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | デジタル文学地図 / 歌枕 / 名所 / 名所絵 / 文学地理学 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
〇デジタル文学地図について、データを入力、入力内容チェックした。名所の項目は76項目となり、地理的・歴史的な概要を記し、八代集・伊勢物語・源氏物語・平家物語・奥の細道・謡曲から用例を採取し、デジタル文学地図に反映した。なお概要については英訳を行った。用例のテキストの画像および項目ごとの名所絵について、国文学研究資料館の画像データ(パブリックドメイン)にリンクを張り、公開可能な状態とした。 〇プログラム参加者による定例の打ち合わせ(コロナ感染防止のため全てオンライン)を11回開催した。この打ち合わせを通して、システムの改善・入力データ方針の策定を行った。 〇デジタル文学地図開発過程での学際的議論をベースにした基礎的な研究を、共同研究メンバーの飯倉洋一、ユディット・アロカイ、中尾薫、RAの大学院生(4名)が行い、論文化した。論文はハイデルベルク大学日本学科の刊行するオンライン学術雑誌に掲載される予定である。 〇9月26日、オンラインで「デジタル文学地図の可能性」と題した国際研究集会を行った。飯倉洋一「デジタル文学地図の研究への活用-『雨月物語』を例に」、ユディット・アロカイ「デジタル文学地図を利用した文学史教育の提案」の2本の基調報告、黄夢鴿(RA)「『和漢名所詩歌合』における名所」、杉本亘(RA)「都の中の逢坂」の2本の発表があった。2月16日、オンラインで国際シンポジウムを開催した。基調講演に美術史の大久保純一氏を招いた。また発表としては田代一葉「江戸時代の屏風歌・障子歌にみる名所」、真島望「名所イメージの生成と固定 江戸地誌・名所絵本を例として」門脇むつみ「名所絵の作り方」の3本があり、ユディット・アロカイをディスカサントとして登壇者全員で討論を行った。 〇デジタル文学地図を活用した国際的日本古典文化教育の実践として、大阪大学とハイデルベルク大学の間で共同授業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の中で、対面による研究会・シンポジウムはできなかったものの、月1回のミーティングをはじめとしてオンラインをフルに活用し、またデータ入力状況を共有していたので、ほぼ目標通り、研究を進めることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでシステム設計と実装を担当していたレオ・ボルン氏に代わって、東京大学史料編纂所の中村覚助教を研究分担者に迎え、デジタル文学地図のデータの充実化と利便性の向上に努める。データ入力については、名所の項目を100箇所程度に増やすとともに、用例収集の対象を拡げていく。とくに謡曲の用例収集は日本文化研究として重要と考えられる。なお、研究の発信のため、年1回の国際研究集会を行い、最終的年度には研究報告書としてまとめたい。
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Research Products
(7 results)