2023 Fiscal Year Annual Research Report
現代西アフリカにおけるライシテと宗教性の連続性の文化人類学的研究
Project/Area Number |
21H00651
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
清水 貴夫 京都精華大学, 国際文化学部, 准教授 (10636517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和崎 春日 京都精華大学, その他の部局, 京都精華大学特別研究員 (40230940)
Sacko Oussouby 京都精華大学, 人文学部, 教授 (70340510)
伊東 未来 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (70728170)
中尾 世治 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (80800820)
阿毛 香絵 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 助教 (90876351)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ライシテ / 西アフリカ / イスラーム / 文化人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる本年度は、実質的に本プロジェクトの現地調査が可能な最終年度となる。清水はブルキナファソにおいてイスラーム系NGOの調査、伊東はマリにおいて家族法にまつわる調査、和崎はカメルーンにおいて王権・イスラームについての調査、阿毛はセネガルにおいて神秘主義教団に関わる海外調査を敢行し、担当国のライシテにまつわる現象の資料収集に努めた。このほか、清水は3度の国内の在日セネガル人調査を行い、日本のアフリカ出身者の宗教的な紐帯の動態を調査した。このほか、各自文献調査も進めている。 こうした現地調査、文献調査に加え、研究プロジェクト後半に差し掛かり、2023年5月に行われた日本アフリカ学会第60回学術大会で「西アフリカのライシテ研究の可能性と課題」と題したフォーラム(分科会)を組織し、分担者である和崎、伊東、サコ、阿毛と代表者の清水が発表した。また、2023年7月24日には、上智大学の上野庸平氏をゲストスピーカーとして招聘し、「公開研究会「現代アフリカにおける宗教の多様な諸相―「マダガスカルのライシテ」と日系新宗教」を開催(京都精華大学アフリカ・アジア現代文化研究センターとの共催)した。さらに、研究打ち合わせ、研究の進捗の共有を中心とした、内部研究会を3回開催した。 本年度は、代表者の清水が論文1、口頭発表2、分担者の中尾は、論文1、書評1、国際学会での口頭発表2、和崎は論文1、口頭発表1、伊東は訳書1、論文1、口頭発表1、阿毛は論文1、書評1、国際学会での発表1、国内発表1などの関連業績を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響が薄れた2022年以降、代表者、分担者ともに予定していた大方の海外調査が遂行された。2023年度は、大部の論考は出ていないものの、これまでの研究をまとめ、業績が発表され始めた。特に、2023年度は学会での分科会を形成し、フロアからの批判を受け、研究も大幅に進捗があったと実感している。来年度は、いよいよ最終年度であるが、まとめとなる成果発表の方向性は2023年度中に定め、最終年度を迎えることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる2024年度は、代表者、分担者ともに成果物の準備に専念する。本研究テーマが、その必要性が強調されてきた(ボベロ2014)にもかかわらず、世界的にも萌芽的な側面をもつ新たな課題であること、これまでに、代表者、分担者が培ってきた研究実績を束ねて新たな視覚を構築することに挑戦してきた本課題では、現段階で著作の出版には至らない。しかし、これまでの研究を世に問い、さらなる研究の発展を期すため、公開シンポジウム(10月を予定)の開催、さらに、シンポジウムの講演をまとめ、論集を作成することを予定している。 また、本研究を通し、国外、主にアフリカの研究機関に所属する研究者とのネットワークが構築されつつある。これらのネットワークを活用し、本研究の今後の方針を検討する年でもあると考えている。
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