2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on institutions and customs in the local industries and sustainability of local communities
Project/Area Number |
21H00737
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 厚海 岐阜大学, 社会システム経営学環, 教授 (10388712)
柴田 淳郎 滋賀大学, 経済学系, 准教授 (10437452)
柴田 仁夫 岐阜大学, 社会システム経営学環, 准教授 (10758436)
松嶋 健 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (40580882)
小沢 貴史 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (50367132)
森部 絢嗣 岐阜大学, 社会システム経営学環, 准教授 (50456620)
相馬 敏彦 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (60412467)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 地域産業 / 慣行 / 制度 / 祭り / 競争 / 持続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大きく二つの課題に分けられる。第一に、地域産業において競争を促進したり、新規参入者を受け入れる制度や慣行の役割について検討することである。地域には市場原理とは異なるロジックの制度や慣行が共有されており、それらが企業間の競争を促進したり、新規参入を促進したり、企業間の互恵性を促進したり、裏切りに対する制裁機能が企業の機会主義的な行動を抑制することがあることはこれまでも指摘されてきた。本研究では具体的な制度・慣行の事例を調査し、どのような制度・慣行が地域産業の活性化に資するのかを考察してきた。具体的には有田焼産地、神戸の洋菓子産業、岡山のジーンズ産業、各地の仏壇産業などの事例が検討された。さらにそのような制度・慣行が住民の誇り・愛着を生み出し、地域社会の持続性に資するために何が必要かについて今後、検討する必要があることが確認された。 第二の課題として、祭りが地域社会のソーシャル・キャピタル(SC)の醸成に果たす役割について検証するものである。これを明らかにするために滋賀県の長浜曳山祭の運営参加者を対象に行われた調査を行い、祭りの運営にコミットする程度が、地域内のつきあいや信頼関係と正の関連があることが示された。特に地域内居住者において、運営への参加が地域との関わりや信頼感を深める傾向がある一方で、地域外居住者における影響は限定的であった。この結果は、祭りが地域内のSCを高める効果があることを示唆しているが、地域外の参加者に対する影響はさらなる研究が必要であることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一の地域産業の慣行についての研究は、各メンバーが地域を割り当てて調査を行っており、担当地域によって調査が進んでいるところとそうでないところが分かれている。第二の祭りとSCの研究については一定の成果は上げたものの、地域外の人に対する更なる調査が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き地域産業に資する制度・慣行と、祭りについての調査研究を続けていく。定期的に研究会を開き、情報を共有しつつ、進捗管理をしていきたい。また祭りの研究について、追加でのアンケートなどを行う必要があり、質問票や調査協力の確保などを継続して行っていきたい。
|