2021 Fiscal Year Annual Research Report
多文化保育における保育者の「困り感」改善モデル構築:人材育成・方法・ネットワーク
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21H00849
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
林 悠子 神戸松蔭女子学院大学, 教育学部, 准教授 (90584483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韓 在熙 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50619400)
石井 章仁 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (80458687)
松山 有美 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (20613996)
三井 真紀 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (80342252)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多文化保育 / 困り感 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の当初計画にもとづき、多文化保育実践の実態把握を目的とした幼稚園調査(質問紙調査)および保育者養成校での多文化保育に関する教育内容の実態調査(質問紙調査)と、両質問紙調査結果分析に基づき、実態把握をより深めるためのインタビュー調査実施に向けて取り組んだ。 幼稚園を対象とした質問紙調査からは、多文化保育実践上の保育者の試行錯誤の実態と「困り感」が表れる結果となっており、多文化保育に関する現職研修の機会の必要性が示唆された。養成校を対象とした質問紙調査からは、多文化保育に特化した科目を開講している養成校は数校にとどまり、既存科目において多文化保育について触れる等の取扱いにとどまっている。養成校教員は多文化保育に関する学びの必要性を認識しているものの、授業時間数や教員の専門性等の理由とともに、単独科目として開講する必要性の認識は薄いという結果が見られた。 幼稚園でのインタビュー調査はコロナ禍の影響により調整が困難となったため、繰越手続きを行い2022年度実施とした。2022年に実施したインタビューでは、協力園へ訪問、質問紙の回答内容に関してより深く聞き取ることができた。保育者の試行錯誤は言語面以外にも多岐に渡り、学習機会、保育方法、地域でのつながりが求められていることが明らかになった。 上記質問紙およびインタビュー調査結果を踏まえて、今年度後半には海外調査を計画していたが、コロナ禍の影響により今年度の現地調査は見送った。本研究の柱となる、養成・研修、保育方法、ネットワークの3つの点について、文献から海外調査対象国の最新動向を探る一年となった。その結果、各国の文脈に応じた多文化保育への取り組み状況を確認することができ、保育実践に関しては、2019年までの各自の現地調査内容と今回の文献調査をもとに日本の多文化保育実践への示唆点を分析し論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質問紙作成に向けては、本研究の前段階となる保育所を対象として実施した全国調査結果を改めて吟味し、幼稚園調査に向けての準備を行ったが、コロナ禍の影響により、質問紙作成・調査実施時期が当初予定より大幅に遅れることとなった。質問紙調査の結果に基づき、インタビュー実施準備を進めたが、質問紙調査実施が遅れたため、今年度はインタビュー内容とインタビュー対象先の選定作業まで進めることとなった。実際の調査は繰越手続きにより2022年度に実施することとなった。海外調査については現地訪問は実施できなかったため文献調査を実施することにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は昨年度遅れていたインタビュー調査を完了させ、質問紙調査・インタビュー調査結果の論文化・発表を行い、結果分析によりさらに調査が必要な点を見出しながら、国内調査結果に基づいた現職研修モデル試案の検討を開始する。同時に、国内調査の結果に基づいた海外調査を実施する。実施にあたっては、コロナ禍であることを踏まえ、各国の状況に応じた実施内容と実施時期を検討する。
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Research Products
(4 results)