2021 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の豊かな放課後生活を保障するための新たな学童保育指導員研修体系のモデル開発
Project/Area Number |
21H00850
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
住野 好久 中国学園大学, 公私立大学の部局等, その他 (60243531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 信一 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60290061)
中山 芳一 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (40595469)
塚田 由佳里 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (10757149)
鈴木 瞬 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (00740937)
松本 歩子 高野山大学, 文学部, 准教授(移行) (10615058)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学童保育(放課後児童クラブ) / 研修 / 放課後児童支援員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学童保育において子どもたちに豊かな生活や活動を保障していくためには2015年以降進められてきた認定資格研修などの国や自治体による「公的な研修」だけでなく「指導員による自主的自発的研修」を地域の特性を活かして拡充し、両者を関連付けた学童保育指導員の研修体系の構築が求められると捉え、①国内外の学童保育指導員研修の目標・内容・方法・組織の明確化、②国内外の学童保育指導員による「自主的自発的研修」の実施状況の把握、③日本における「自主的自発的研修」の実施モデルの開発を行うことを目的としている。 ■ 国内の学童保育指導員による「自主的自発的研修」の実施状況に関する調査 国内の自主的自発的研修の実施状況を把握するために、福島、石川、愛知を事例とした自主的自発的研修の実施状況に関するインタビュー調査、及び、日本における学童保育指導員による自主的自発的研修の歴史的把握を行い、自主的自発的研修が実施され発展するための要件、自主的自発的研修が抱えている今日的課題について明らかにした。 ■諸外国の学童保育指導員研修に関する調査 2021年度に独自の職業資格制度を持つフィンランドを対象として実地調査を行う予定であったが、コロナ禍で実施できなかったため、文献資料の調査及びオンラインでの学童保育関係者へのインタビュー調査を行った。2022年度には繰越金にて実地調査を行い、国、地方自治体、研究者、労働組合、職業教育機関の指導経験者、学童保育勤務経験者に対してヒアリング調査を行った。結果、フィンランド教育庁が定める職業基準に専門性の要件が示され、それに従って学童保育指導員の養成が職業教育機関で行われ、個々の学生のキャリアに基づく個別性の高い柔軟なカリキュラムが作成され、実践現場との強い連携による実習が重視された実践的内容が身に付く、知識・理論と実践を往換する養成教育が行われていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響による相手国の事情を踏まえ、フィンランドにおける国際調査の実施を延期する必要が生じたため諸外国の学童保育指導員研修に関する調査は、当初計画から1年繰り越しての実施となったが、繰越後、ほぼ計画通り調査を進めることができた。 国内調査においても、新型コロナウイルス感染症による影響によって、現地調査の実施に多くの制約があったが、実施できる地域・調査内容から実施するなど調整をしながら調査研究を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
■ 国内の学童保育指導員による「自主的自発的研修」の実施状況に関する調査 ①福島・石川・愛知を事例とした自主的自発的研修の質的調査及び、自主的自発的研修の歴史的把握を軸に、今後はさらに各地の自主的自発的研修の調査を継続発展させる。その際、自主的自発的研修が積極的に行われてきた歴史のある学童保育に注目し、「指導員ネットワーク」と「施設内」で実施される自主的自発的研修での参与観察、及び、研修の企画・参加者に対するインタビュー調査を実施し、自主的自発的研修の実施内容・実施方法、公的な研修拡充後の実施状況の変化や、コロナ禍における変化について明らかにする。また、研修内で検討されている事例、それをめぐって交わされている言葉、そこでの指導員の学びの過程を整理することから、多様で実態を把握しにくく、研究の俎上に載りにくい現状の研修について体系化する。 ②国内の自主的自発的研修の実施状況及び、研修による成果と課題を調査するための質問紙の作成と量的調査の実施をすすめる。 ■諸外国の学童保育指導員研修に関する調査 諸外国の学童保育指導員研修について研修等体制の類型(大学中心型 自治体中心型、事業者中心型 自主組織中心型)との関連性も踏まえ、現地の自主的自発的研修に参加し、その実施内容・実施方法に関するインタビュー調査を行い、日本の学童保育指導員の専門性向上に役立つものを抽出する。 特に次年度は事業者中心型のオーストラリアの現状について資料把握を行うとともに、現地調査の準備を行い、現地にて参与観察及びインタビュー調査を行う。
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Research Products
(6 results)