2021 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の日本型のSTEMリテラシーを育成する学習プログラムに関する総合的研究
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21H00919
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯崎 哲夫 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90243534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 英真 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
野添 生 宮崎大学, 教育学部, 教授 (20751952)
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40335881)
大嶌 竜午 千葉大学, 教育学部, 助教 (40700414)
網本 貴一 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60294873)
齊藤 萌木 東京大学, 高大接続研究開発センター, 特任助教 (60584323)
富川 光 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70452597)
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (80314615)
遠藤 優介 筑波大学, 人間系, 助教 (80759051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | STEM教育 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究目的に従って理論的研究と実証的研究の両方を実施した。 理論的研究として、歴史的研究と諸外国の事例研究などについて検討した。まず、日本のSTEM教育に関する教育政策の分析を行うとともに、日本のSTEM教育に関する歴史的分析を行った。その結果、初等・中等教育段階においてSTEM教育の柱となる数学、科学、工学、技術の教育において、それぞれのカリキュラムを統合する試みが、第二次世界大戦期の一時期に存在しており、STEM教育を考える上で参考になる可能性があることを指摘した。また、諸外国のSTEM教育の動向について分析を行い、STEM教育を推進する上では日本の教育的特徴や歴史的文脈を踏まえる必要があることを指摘した。さらに、イギリスやドイツの中等教育段階において、イギリスでは教科横断型スキル評価が導入されていること、ドイツでは一部の教科の関連に関して各教科で育成すべきコンピテンシーが見られ、それらが評価対象となっていること、STEM教育の推進には産業界や経済界のイニシアティブが認められること、などを明らかにした。 実践的研究として、STEM教育に関連する算数や理科の授業において協調問題解決型授業を実施し、統合的理解のプロセスを可視化する検証を行った。その結果、概念の統合は複雑なプロセスを経ていることを指摘した。また、フィリピンの教師を対象に日本のSTEM教育のうち、理科授業に関する日本型の意味について検討した。その結果、日本の授業は、探究のプロセスを重視している授業である一方で、その自由度が制限されていることを明らかにした。さらに、STEMリテラシーを育成するための教材開発を行った。開発した化学系教材に関しては、科学的探究活動を意図した教材として有効であることを確認した。また、生物系の教材開発の基礎的研究では、日本の生物の多様性や進化に関する教材開発の可能性を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者が、それぞれの役割に基づいて研究を推進しており、その成果を国内外での学会発表や、国内の学会誌や国際誌、英文書籍に積極的に投稿、寄稿するという形で発信している。そのことを通して、研究成果の批評を受け、得られた意見等を今後の研究の参考にしている。 また、実践研究で得られた知見は、積極的に教員養成教育や学校へ還元する取り組みを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を含めてSTEM教育に関する日本語の書籍や英文書籍の研究を計画し、本年度はその研究成果の発信するためのワークショップを開催する予定である(状況によりオンラインにて開催)。国内の学会の年会における課題研究も計画している。さらに、得られた知見を国際学会で発表することも計画している。 実践研究に関しては、大学における教員養成教育における研究知見の還元はもとより、学校との連携をより深めながら研究知見の還元や学校におけるSTEM教育推進のための課題を抽出し、今後の研究に活用する予定である。
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