2023 Fiscal Year Annual Research Report
陸上堆積物試料分析とGIAモデル解析の融合による間氷期の南極氷床融解史の解明
Project/Area Number |
21H01173
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
石輪 健樹 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (10811896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 淳一 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (00376542)
田村 亨 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (10392630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 南極氷床 / 堆積物分析 / GIAモデル / 完新世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は堆積物試料とGIAモデルを用いて完新世と最終間氷期の時期に着目し、東南極氷床の変動履歴を復元することを目的としている。この目的の達成には、堆積物試料の分析による海水準記録の取得とGIAモデルによる海水準記録から氷床変動情報への変換が不可欠である。2023年度は、第64次南極地域観測隊で採取した海底・湖底堆積物試料のサンプリング作業を高知大学海洋コア国際研究所で国内研究者とベルギー・インドの共同研究者と2週間に渡り実施した。コアキャッチャーの堆積物試料中の有機炭素を対象とした予察的な放射性炭素年代測定の結果、最終氷期最盛期から現在にかけての氷床変動をはじめとする古環境記録を保持している試料であり、本研究の推進に貢献できる試料だと判明した。また、CTスキャンによる非破壊分析の結果、氷床の流動に伴い形成された可能性がある堆積物が確認され、ローカルな氷床変動を記録している可能性が高い試料があることが明らかになった。年代モデルを高精度で構築するため、サンプリング作業が実施した試料については放射性炭素年代測定の追加処理の前処理を進めた。2023年7月にイタリアで開催された国際第四紀学会では招待講演として、東南極の氷床変動について発表を行った。また、東南極における既報告の海水準データと新規データを統合した海水準データベースを作成し、GIAモデルと統合的に解釈することで、完新世における氷床変動を制約する論文を国際誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
完新世における東南極の氷床変動履歴に関する論文を国際誌に投稿したが、第64次南極地域観測隊で採取した堆積物試料のサンプリングが完了しておらず、分析が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度にサンプリングを完了しなかった堆積物試料のサンプリング作業を高知大学海洋コア国際研究所で引き続き実施する。サンプリング作業が完了次第、CTスキャンやコアスキャナーなどの非破壊分析の結果をデータージャーナルに公表する。2023年度に投稿した東南極における完新世の海水準・氷床変動の復元に関する論文の採択を目指す。また、東南極ぬるめ池の堆積物試料から示される海水準変動に伴う水塊構造の変化に関する論文も国際誌に投稿する。これらの成果を国内外の学会で発表する。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Spatiotemporal variations in the ice mass of East Antarctica during the Holocene revealed by sea-level observations and GIA modelling2023
Author(s)
Ishiwa, T., Okuno, J., Tokuda, Y., Itaki, T., Tokuda, Y., Sasaki, S., Suganuma, Y.
Organizer
The 14th Symposium on Polar Science
Int'l Joint Research
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