2023 Fiscal Year Annual Research Report
A unified understanding of fault friction in subduction zone considering material diversity and diagenesis
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21H01189
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 飛鳥 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (30570634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 優 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30802699)
岡本 敦 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (40422092)
岡崎 啓史 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90784257)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 摩擦 / 続成作用 / 摩擦実験 / 付加体 / 南海トラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)日本海溝および南海トラフの調査航海に乗船し、沈み込み出発物質および付加体・前弧海盆構成物質の試料採取と物性測定・化学組成測定を行った。2022年度までの調査航海および砂箱実験の結果と併せて、南海トラフにおける付加体および前弧海盆発達過程の復元を行った。 2)スロー地震の陸上アナログとして提案されている、プレート境界深部で生成されたと考えられる石英脈濃集帯について,その破壊と励起される地震波形についてモデル化を行った。その結果、地球物理学的に観測される微動などと定量的に一致する特徴が得られ、石英脈濃集帯がスロー地震の痕跡であるさらなる証拠を提示した。 3)沈み込みに伴う続成作用が堆積物の摩擦特性に与える影響について、日本海溝から採取された堆積物試料を用いた摩擦実験を行った。堆積物試料を封圧150MPa、間隙水圧100MPa、温度61度で10分から1週間煮込んだところ、煮込み時間が増えるにつれて摩擦挙動が速度強化から速度弱化に遷移する結果が得られた。これは煮込み時間の増加につれて、圧密と膠結作用が進んだためと見られる。 4)沈み込み帯のマントルウェッジ深度における地殻/マントル境界を天然、実験、地化学計算から検討し、西南日本のような暖かい沈み込み帯において、地殻からマントルのSi輸送による滑石の形成に加えて、マントルから地殻へのMgの輸送により緑泥石化が起こることを明らかにした。また、CO2流体が滑石形成に大きな影響を与えることを明らかにしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査・実験・分析・成果公表ともに順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
微小部蛍光X線分析装置を用いて断層岩試料の組成分析・鉱物分析を行い、断層岩の変形機構解明を進める研究を推進するとともに、成果取りまとめを重点的に行っていく必要がある。
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