2021 Fiscal Year Annual Research Report
渦流れによる吸音現象を利用したボイラ管群気柱共鳴現象の革新的防止対策の開発
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21H01278
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濱川 洋充 大分大学, 理工学部, 教授 (30243893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富来 礼次 大分大学, 理工学部, 教授 (20420648)
劉 孝宏 大分大学, 理工学部, 教授 (60230877)
栗原 央流 大分大学, 理工学部, 准教授 (90344481)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 渦 / 気柱共鳴現象 / 吸音 / 管群 / ボイラ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、CO2排出量が少ないコンバインドサイクル発電システムの開発が積極的に進められている。本発電において使用される排熱回収用ボイラなどの熱交換器の伝熱管群では、度々気柱共鳴現象が発生し振動と騒音が問題となる。本研究は、伝熱性能に優れた管群の一部において渦による吸音現象を利用して音響減衰を増加させ、気柱共鳴現象の発生を防止する新しい防止対策および設計法を開発することを目的とする。以下を明らかにする。(1) 音響管において渦流れによる吸音効果の増大および減少のメカニズムを解明する。(2) 管群からの渦放出音による音響励起力の増大と渦による吸音現象の関係を解明する。(3) 管群部における音響励起力と音響減衰特性をモデル化し、運動方程式を作成し安定判別を行い、防止対策の開発および設計法を構築する。 令和3年度は、気柱共鳴現象と管群からの渦放出の挙動を同時計測できる実験装置にて、インライン配列の粗い管群における気柱共鳴現象の発生を確認するとともに、その特性を実験的に明らかにした。また、音響管を用いて多孔板の吸音性能に及ぼす流れおよび孔形状の影響を実験的に調査するとともに、吸音率の予測および流れの構造と吸音性能との関係についても検討した。多孔板の孔形状や流速などを調整することによって吸音特性を様々に変化させることができることが分かった。孔を通過する流れが無い場合に開端側から吸音率大の周波数の純音を入射すると、孔出口の中央付近では往復流が生じ、入射音周波数で周期的に流速が変化した。流れがある場合に純音を入射すると孔出口には規則的な渦が形成されており、入射音と同じ周波数で渦が発生することが分かった。Guessの予測式から算出した吸音率は、孔を通過する流速の条件次第で実験結果と一致した。この式は、管群などを通過する平均流れがある場合の吸音率の予測に応用できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、気柱共鳴現象と管群からの渦放出の挙動を同時計測できる実験装置にて、インライン配列の粗い管群における気柱共鳴現象の発生を確認するとともに、その特性を実験的に調査した。管群部の壁面の音圧レベルのスペクトルには単一のピークが形成され、ピーク周波数はギャップ流速が増加するにつれて増加し、ストローハル数は0.15となった。流速を増加させると気柱共鳴現象によるロックインが生じ、ピーク周波数が階段状に変化した。流速が増加するにつれて、徐々に揚力方向モードと抗力方向モードの連成した高次の気柱共鳴現象が発生し、最大音圧レベルは約130dBとなった。 また、音響管を用いて多孔板の吸音性能に及ぼす流れおよび孔形状の影響を実験的に調査するとともに、吸音率の予測および流れの構造と吸音性能との関係について検討した。多孔板の孔の出口側にテーパーを付けたとき、角度が大ほど垂直入射吸音率の周波数特性のピーク周波数が高周波数になった。多孔板を通過する気流流速が大ほど最大吸音率は低下するが、吸音率の特性は高周波数側で高くなり、広い周波数帯域で吸音性能が増加した。多孔板の孔形状や流速などを調整することによって吸音特性を様々に変化させることができることが分かった。孔を通過する流れが無い場合に開端側から吸音率大の周波数の純音を入射すると、孔出口の中央付近では往復流が生じ、入射音周波数で周期的に流速が変化した。流れがある場合に純音を入射すると孔出口には規則的な渦が形成されており、入射音と同じ周波数で渦が発生した。Guessの予測式から算出した吸音率は、孔を通過する流速の条件次第で実験結果と一致した。この式は、管群などを通過する平均流れがある場合の吸音率の予測に応用できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、共鳴モードの粒子速度の腹付近に吸音効果の高い管群配列などを導入し、 渦による吸音を利用して気柱共鳴現象を防止する。令和4年度は令和3年度の成果を基にして以下を行う。 (1)渦流れによる吸音効果の増大および減少のメカニズムの解明:垂直入射音響試験装置の内部に多孔板や管群を設置して気流を流すと、わずかな実験条件の違いで吸音性能が増加する場合と減少する場合がある。実験条件を変化させて、吸音特性の変化を解明する。多孔板や管群後方の流れ場をPIVを用いて計測し、渦流れの構造の違いと、吸音性能の増加と減少のメカニズムを解明する。音響減衰特性の増加量および減少量を定量的に評価する。 (2)管群の音響励起力の増大と渦による吸音現象の関係の解明:渦は吸音効果を有する。管群配列および気流流速を変化させて、管群内の渦挙動をPIVによる実験的に管群からの渦放出による音響励起力の増大と渦による吸音効果との関係を解明する。音響励起力と渦による吸音性能を定量的に評価する。 (3)運動方程式の作成と安定判別による防止法の開発および設計法の構築:管群における音響励起力と音響減衰特性をモデル化し,運動方程式を作成し、安定判別を行い気柱共鳴現象の発生の有無を判断する。気柱共鳴現象の防止法の開発および設計法の構築を行う。様々な管群配列にて特性の違いを明らかにするとともに検証を行う。
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Research Products
(4 results)