2022 Fiscal Year Annual Research Report
根系構造と根返り耐性特性に基づく海岸林の防災効果向上のための管理手法の提案
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21H01600
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
野口 宏典 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 賢二 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353634)
平野 恭弘 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60353827)
谷川 東子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10353765)
新田 響平 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研究研修センター), 林業研究研修センター, 研究員 (50640637)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 海岸林 / 根系分布 / レーダ探査 / クロマツ / ミズナラ |
Outline of Annual Research Achievements |
海岸林に見られるクロマツ以外の樹木の根返り耐性と根系分布を評価することを目的として、秋田県の海岸林に生育する壮齢のミズナラ3個体を対象として、立木引き倒し試験と根系分布調査を実施した。各個体の胸高直径は、それぞれ、12 cm、15 cm、21 cmであった。個体ごとのミズナラの根の重量は、簡便に測定できる地上部のサイズである胸高直径と比例関係にあった。ミズナラの根の重量は、3個体ともに、地上部の重量の30%程度であった。前年度に調査したイタヤカエデの根は浅い範囲への分布が多く、水平方向に発達する根が多かったことに対して、ミズナラの根は下方への発達が多く見られ、50 cmよりも深くまで到達した根も多く見られた。立木引き倒し試験から得られた根返り耐性の指標である限界回転モーメントは、個体ごとの根の重量に直線的に比例して大きくなり、その傾きは、イタヤカエデでの傾きと概ね同様であった。 非破壊的手法である地中レーダ探査による海岸林再生地の樹木根系探査の精度を評価することを目的として、仙台湾岸の海岸林再生地の若齢クロマツ林を対象として、地中レーダ探査と根系掘り出し調査を実施した。その結果、若齢クロマツ林ではレーダの検出率が低いことが予想されていたが、根と予想される双曲線反射波画像が複数検出された。地中レーダ探査の結果から推定された根の位置と直径には、実際の根の位置と直径との間に一定の対応関係が見られた。今後、この対応関係への直径や深さの影響について精査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とくに問題はなく、予定通りに調査等を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで概ね当初の計画に沿って研究を実施できている。このため、今後も当初の計画通りに研究を推進する。
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