2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H01735
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
河原 正浩 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, プロジェクトリーダー (50345097)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | キメラ抗原受容体 / 遊走 / シグナル伝達 / 細胞治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、遊走誘導型キメラ抗原受容体として、細胞外ドメインに一本鎖抗体、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインにケモカイン受容体もしくは増殖因子受容体を配したコンストラクトを構築し、細胞で安定発現させた。トランスウェル遊走アッセイによる間接的な遊走活性評価を行った結果、増殖因子受容体を用いた遊走誘導型キメラ抗原受容体の方が抗原に応答して高い遊走活性を有していた。本年度は、より直接的に遊走活性を評価する系の構築を目指した。遊走誘導型キメラ抗原受容体発現細胞をマルチウェルプレートに播種し、抗原を添加後に細胞が沈降するのを待ち、インキュベータ内に設置した顕微鏡でタイムラプス撮影を行った。撮影した画像を時系列順に繋げて動画を作成し、細胞形態の経時的な変化を可視化した。その結果、抗原を添加しない場合には、観察時間を通して細胞が比較的丸い形状のままであったのに対して、抗原を添加した場合には、観察時間中に細胞が仮足を伸ばして変形しており、運動性が亢進していることが示された。この抗原依存的な細胞の変形は、トランスウェル遊走アッセイの結果と相関した。以上より、細胞の形態観察による遊走活性の評価系を新たに構築することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、より直接的に遊走活性を評価する系を構築することが目標であった。実際にインキュベータ内に設置した顕微鏡でタイムラプス撮影を行うことで、細胞形態の経時的な変化を可視化することができたことから、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、シグナル伝達ドメインを改良することで、より高い遊走活性を示す遊走誘導型キメラ抗原受容体の開発を進める。
|