2022 Fiscal Year Annual Research Report
真の枝分かれ抑制ホルモンの化学構造、生理機能、生合成経路の解明
Project/Area Number |
21H02125
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
謝 肖男 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (30610323)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 香織 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20769997)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ストリゴラクトン / 植物ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
枝分かれ抑制ホルモンの単離・構造解析は、1990年代から続けられ、2008年にはSLあるいはその代謝物が枝分かれ抑制ホルモンであるとの結論に至った。本研究では、典型的SLは枝分かれ抑制ホルモン活性本体(Branching Inhibitory Hormone, BIH)ではないという仮説に基づいて、その本体を探索し、構造を解明することを目的として行っている。 BIHは枝分かれを抑制する植物ホルモンであるため、BIHの内生量が減少することにつれ、植物の枝分かれが始まると考えられる。そこで、本年度はイネおよびシロイヌナズナの野生株とSL生合成遺伝子破壊株を用いて生育ステージ毎 に、植物を経時的に植物の基部に含まれているSLを計測し、枝分かれが起きる前に減少するSLを網羅的に測定した。その結果、イネから1種類の構造未知のSLよう化合物が枝分かれを引き起こすやく3日前から著しく減少することがわかった。 また、昨年度に収集した導管液から、導管液に含まれているSLを網羅的に分析し、そこから2つ未知SLの存在が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、地下部から地上部への典型的SLの移動は導管経由ではなく、ABCトランスポーターなどによる細胞間輸送であるという新知見に基づき、新規枝分かれ抑制ホルモンの探索を目的としてしている。これまでの進歩状況を踏まえて枝分かれ抑制ホルモンはこれまでの既知SLではなく、他のSLよう化合物であることを強く示唆された。また、本化合物をすでに特定し、単離すれば構造決定に進める状況に至っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究結果を踏まえて、まず、これまで特定した枝分かれ分画をさらに精製し、化合物の同定を急ぐ。 また、より詳細の分析はもっと分析感度およびサンプル測定手順の簡易化が必要である。そのため、これまで構築したIMS-MS/MSを用いるSLの検出をより高感度で分析できるように最適化する必要があると思われる。さらに、前年度につづき、SL生合成経路制御化合物を用いて、本研究で特定した化合物の生産量の変更の有無を調査する。
|
Research Products
(8 results)