2021 Fiscal Year Annual Research Report
Appearance of negative influences of global warming on crop production and measures against it
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21H02330
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
縄田 栄治 京都大学, 国際戦略本部, 特任教授 (30144348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋津 元輝 京都大学, 農学研究科, 教授 (00202531)
白岩 立彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (30154363)
梅津 千恵子 京都大学, 農学研究科, 研究員 (40294251)
谷田貝 亜紀代 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60353447)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 作物生産 / 作物モデル / 気象モデル / 地球温暖化 / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、4つの小課題、「1. 地球レベルと地域レベルの作物生産動向解析」、「2. 気象データ・土地資源データを基にした地球温暖化の正負の影響の適正評価」、「3. シミュレーションモデルによる、作物生産に負の影響が顕在化する時期の推定、及びその対策の提示」、「4.地球温暖化の作物生産に対する正の影響が生み出す問題点の抽出と解決策の提示」を実施する。本年度は、主として、1と2を実施した。 1.地球レベルと地域レベルの作物生産動向解析: 対象として選択した4国(日本、台湾、タイ、ザンビア)の農地面積と作物(イネ・ダイズ・トウモロコシ・サトウキビ・キャッサバ)ごとの栽培面積・生産量・単位面積当たりの収量等のデータを収集し、気象データ(気温、日射、降雨の日単位データ)の収集を進めた。特に降雨データについては、データベース化後、研究分担者の谷田貝が開発した Aphrodite により、広域に展開した。また、収集したデータを用いて解析を進めた。その結果、近年の温暖化の進行により、気象イベントの発生頻度が上昇し、各地で作物生産に被害が出ているにもかかわらず、地球全体としては、安定した作物生産がなされていることが明らかとなった。 2.気象データ・土地資源データを基にした地球温暖化の正負の影響の適正評価: データ取得が先行しているタイについて、各作物の潜在収量(生産制限要因は気温と日射量のみ)及び達成可能収量(生産制限要因は気温と日射量と水ストレス)を推定した結果、ともに、ここ近年では、大きな変動は見られないことを確認した。 3.シミュレーションモデルによる、作物生産に負の影響が顕在化する時期の推定、及びその対策の提示: それぞれの作物モデルにサブモデルとして地球温暖化の正の影響を組み込んだ形で、作物モデルを改良する予定であり、今年度は、作物ごとのモデルのパラメータの検証を行い、改良に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定してた3つの小課題のうち、主として2つに注力した結果、小課題により、あるいは対象国により、多少の遅滞はあるものの、概ね順調に進んでいる。特に、現地調査は、コロナ禍により大幅に制限されたが、研究協力者と連絡をとり、データの取得を進めた結果、気象データや農業統計の収集については、ほぼ順調に進みつつある。また、一部の対象国では、資源データベース・気象データベースもほぼ完成しつつあるため、長期の作物生産力変動の解析が可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に続き上記の4小課題のうち、昨年度繰り越した計画を実施後、1・2・3を実施する。 1.地球レベルと地域レベルの作物生産動向解析: 対象として選択した4国(日本、台湾、タイ、ザンビア)の農地面積と作物ごとの栽培面積・生産量・単位面積当たりの収量等のデータの収集・データベース化を継続する。対象作物は、イネ・ダイズ・トウモロコシ・サトウキビ・キャッサバである。同時に、気象データ(気温、日射、降雨の日単位のデータ)の収集・データベース化を継続する。収集したデータを用いて、地球レベル・地域レベルでの作物生産動向を分析し、気象イベント、土地資源との関係を解析する。 2.気象データ・土地資源データを基にした地球温暖化の正負の影響の適正評価: 土地資源データと気象データ及び、シミュレーションモデルを用いた、各作物の潜在収量(生産制限要因は気温と日射量のみ)及び達成可能収量(生産制限要因は気温と日射量と水ストレス)の推定及び気候変動の影響の推定を継続する。また、栽培可能地域の拡大については、熱帯・亜熱帯原産作物であるイネ・トウモロコシ・サトウキビ・キャッサバについて、タイ・台湾・ザンビアで、近年の高標高地域への栽培拡大を検証し、台湾・日本について、高緯度地域への栽培拡大を検証する。 3.シミュレーションモデルによる、作物生産に負の影響が顕在化する時期の推定、及びその対策の提示: それぞれの作物ごとに、小課題2の評価・検証結果をの数量化・モデル化を進め、作物モデルにサブモデルとして地球温暖化の正の影響を組み込んだ形で、作物モデルを改良する。改良した作物モデルをサブモジュールとして、MAPNET型土地生産力モデルに組み込み、地域レベル(国、地方、州・県)の将来の作物生産量を予測することにより、温暖化の負の影響が顕在化し生産量の低下傾向が顕著になる時期を推定して地域ごとに傾向を比較分析する。
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Research Products
(16 results)