2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム行動生態学:「生物の動き」を制御する遺伝子と個体の適応度及び集団への影響
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21H02568
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮竹 貴久 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (80332790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 智史 玉川大学, 農学部, 准教授 (20547781)
佐々木 謙 玉川大学, 農学部, 教授 (40387353)
天竺桂 弘子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80434190)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 死にまね / 不動 / ノックダウン / 行動と個体群 / 行動と群集 / コクヌストモドキ / ドーパミン / RNA-seq解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次の通りである。生態系を構成する集団と群集は個体間相互作用の上に成り立ち、個体の特性はゲノム変異に支配される生理活性物質の発現に依存する。そのため群集の理解にはゲノム発現から集団・群集に繋がる階層的な系での解析が必要だ。本研究では野外採集が容易で、世代を重ねた実験進化に適し、ゲノム操作系が確立したコクヌストモドキをモデルとし、ゲノムから群集まで包括的な理解を目指す。これまでの研究で天敵に出会うと死んだふりで回避し自然選択に有利なロング系統と、普段からよく動き異性との出会いと交尾が多く性選択に有利なショート系統を育種した。系統間ではチロシン代謝系遺伝子群によって制御されるドーパミンの発現が有意に異なり、さらにゲノム比較解析によりドーパミン関連遺伝子領域に系統間で高頻度の変異が見つかった。本研究では「動き」を支配するゲノムを操作した個体の適応度を測定し、自然選択と性選択に及ぼす集団レベルの影響を評価する。 当該年度は、5月にZoom による研究計画打ち合わせを実施した。コクヌストモドキの死んだふりを長い方向に育種したロング系統とショート系統に関連する遺伝子のゲノム同士のコネクション解析を行い、ドーパミン以外にも複数の遺伝子の関与を明らかにでき、成果を論文として公表できた。さらにドーパミン関連酵素、HPDに候補を絞り、ロング系統の成虫のRNA干渉実験を行い、歩行軌跡、求愛行動、捕食行動の観察を行った。現在結果を解析中である。ゲノム編集を実施する準備も進めた。2020年3月には、代表者が玉川大学と農工大を訪問し、個別に研究成果の確認と来年度の研究方針について研究成果打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的遺伝子の候補探索を行い、RNA干渉したコクヌストモモドキの行動観察を実施できた。ゲノム編集については、その準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
標的遺伝子をインジェクションした個体とコントロールで、歩行軌跡、死んだふりの頻度と持続時間、求愛・交尾行動、対捕食者行動を調べる。捕食者としてコメグラサシガメのほかに、ハエトリグモ類も選定して実験を進める。ゲノム編集についても、準備が整ったので、今年度は推進する。さらに生物の動きを、活動量と歩行軌跡で育種した系統についてもRNAseq解析によって発現量解析を実施する。
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Research Products
(10 results)