2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of stereopure boranophosphate oligonucleotide therapeutics having both high activity and low toxicity
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21H02610
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
和田 猛 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (90240548)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / アンチセンス核酸 / ボラノホスフェート核酸 / 立体制御 / 不斉合成 / リン原子修飾核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来のホスホロチオエート核酸医薬を凌駕し、高い標的遺伝子発現制御活性と低毒性を両立する、リン原子の立体化学が制御されたボラノホスフェート核酸医薬を創製することである。ボラノホスフェート核酸の合成では、天然型核酸やホスホロチオエート核酸の合成で用いられるアシル型の塩基部保護基を用いることができない。塩基部アミノ基をアシル基で保護すると、合成中間体の亜リン酸誘導体をボラノ化する際にアミドが非可逆的に還元されてアルキルアミノ基に変換されてしまうからである。そこで、本研究では、塩基性条件下除去される不斉補助基を有する塩基部無保護のオキサザホスホリジン誘導体をモノマーユニットとして用いる新規合成法の開発を行うこととした。塩基部無保護のモノマーは、有機溶媒に対する溶解度が低いことが問題である。 前年度に見出した最適構造である、脂溶性官能基Xを窒素原子に導入したリン原子の立体が制御されたオキサザホスホリジン誘導体を合成し、固相法による縮合反応を試みたところ、若干ではあるがモノマーユニットのエピマー化が起こり、得られた2量体の立体化学純度が低下した。そこで、さらなるモノマーの構造の探索を行ったところ、オキサザホスホリジン骨格のフェニル基に脂溶性置換基Yを導入すると、モノマーユニットの縮合反応溶媒に対する溶解度を向上させる効果があることを見出した。そこで、この構造を有するリン原子の立体化学が制御された4種類の核酸塩基を有するオキサザホスホリジンモノマーをそれぞれ合成し、高い立体化学純度で目的物を得ることができた。これらの立体化学的に純粋なモノマーユニットを用いて2量体の固相合成を試みたところ、いずれのモノマーを用いても立体選択的な縮合反応を行うことができ、目的とするリン原子の立体化学が制御されたボラノホスフェートDNA2量体を高収率で得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の検討をさらに進展させ、より有効な構造を有するモノマーの開発に成功した。さらに、新規な骨格を有する4種類の核酸塩基を有するリン原子の立体化学が制御されたモノマーの合成を達成し、それらを用いた固相法による縮合反応と立体選択性の評価を行うことができ、十分な性能を発揮することが確かめられた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的を達成するために有効な新規な構造を有するモノマーの合成に成功したので、これらを用いてリン原子の立体化学が制御された誘導体の合成を行い、縮合反応効率、立体選択性、長鎖オリゴマーの合成を検討する。
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Research Products
(19 results)