2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of dysregulated RNA modifications in liver cancer
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21H02894
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永江 玄太 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (10587348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緑川 泰 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 総合外科部, 部長 (10292905)
上田 宏生 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (70821916)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝癌 / RNA修飾 / 網羅的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では生化学的および物理化学的手法を駆使し、mRNAメチル化修飾の定量的計測データを取得した上で深層学習を用いた数理最適化によって網羅性と高精度・高解像度を両立する新規検出法を確立する。この検出系を肝癌の臨床組織検体より抽出したRNAサンプルに応用することで、転写制御と転写後修飾の両面からmRNAの代謝・調節機構と癌細胞に生じている異常を明らかにする。肝癌進展過程で獲得あるいは消失するRNAメチル化修飾を同定し、標的RNAやメチル化修飾周囲の配列パターン、癌特異的修飾に関与する制御酵素や結合タンパクなどを明らかにするとともに、癌進展に関与する新規の創薬候補になりうる標的分子を見出すことを目標としている。 2022年度も引き続き、肝癌細胞株を用いたm6A修飾領域について、ダイレクトRNAシーケンスによる高解像度修飾同定法の精度向上を進めた。m6Aの修飾部位同定で使用した同じmRNAサンプルを用いて、ロングリードシーケンサー(MinION/PromethION, Oxford Nanopore Technology)によるダイレクトmRNAシーケンスを行い、修飾塩基と非修飾塩基が生じる電気信号を検出した。以上の作成したデータを畳み込みニューラルネットワークで学習させることでm6Aの修飾パターンの特徴抽出を行った。修飾塩基を材料として合成したIVT増幅RNAを用いたコントロール検体を用いた精度検証では、m6A前後の配列指向性があるものの、さまざまな配列において80%を越える正確性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝癌細胞株より抽出したRNAを用いて、m6Aメチル化修飾部位(教師データ)を作成できた。 MinIONを用いたダイレクトmRNAシーケンスを行い、200万程度の転写産物に対して、修飾塩基と非修飾塩基が生じる電気信号を出力したfast5ファイルより畳み込みニューラルネットワークでm6Aの修飾パターンを判別する一連のパイプラインを作成することができた。領域アノテーションが存在していない場合での弱教師あり学習として用いられるMultiple Instance Learningを採用することで、m6A前後の配列指向性があるものの、さまざまな配列において80%を越える正確性を確認できており、研究計画通りおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
塩基配列に対応する電気信号を、より正確にかつ高速に帰属するための新規プログラムを開発するとともに、発現量が少ない転写産物についてはリード深度が少なくなるため、少ないリード深度でも正確性が極端に下がらないようなアルゴリズムの開発をめざす。
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