2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of support programs and promotion of mental health literacy among university students utilizing SNS
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21H03252
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
篁 宗一 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (60362878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猫田 泰敏 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30180699)
松浦 佳代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 助教 (30807798)
近藤 美保 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (40566064)
遠藤 りら 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (40621868)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メンタルヘルスリテラシー / 早期介入 / 大学生 / 自殺予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はSNSを活用したメンタルヘルス支援プログラムの開発である。“メンタルヘルス”リテラシー増進による早期介入実現を最終的な目標とする。以下三点を行った。 A 学内外の相談機関との連携の構築:静岡県内の保健所の保健師らと協働し、研究会を実施した。また学校関係者として心理職や医師、教育関係者と情報交換を行った。 B プログラム内容の試行開発:教育プログラムを開発した。Covid-19の影響が強いと予想される「ネット依存」予防プログラムを試行開発した。教育内容にはネット・ゲーム依存のプロセス、依存症の定義、ネットの利用時間や利用率の背景、心身への影響、家庭で行う効果的な予防方法等を含めた。 C SNSに関する支援のエビデンスの収集:増加傾向にある若者の自殺に焦点化した。SNSによる相談体制と効果を国内外の文献を用いて検討した。医学中央雑誌、CiNii、PubMedにてキーワードを設定し若者の自殺、メンタルヘルスとSNSの利用との関連、SNS相談効果に関する論文を抽出した。結果、国内では若者にとって“自殺”はより身近にあるがSNS相談についての文献は海外と比較して少なく,自殺予防のためのSNS相談が普及途中であることが分かった。海外では自殺とSNSの関連について、SNSやインターネットの利用には孤立予防や治療としての役割が見出されていた。また男性より女性の方が社会的なつながりを求め、SNS利用の増加によるメンタルヘルスへの否定的影響が一部見いだされていた。SNS相談は「対人関係を苦手とする者のハードルの低さ」「匿名性」「アクセシビリティ」などのメリットがある一方で、「認識のずれ」「利用しづらさ」「緊急時の対応」「相談への依存」「継続性」などにデメリットも抽出された。若者向けとしてSNSを相談媒体とすることは自殺対策に大いに有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響として協力機関の制限により、成果取りまとめに不可欠な連携構築が困難さがあったことや、データ収集に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
支援プログラムのさらなる開発とその実施による“メンタルヘルス”リテラシー向上についての縦断的効果評価を行う。そのための具体的方法としては、A 学内外のメンタルヘルス相談機関との連携をさらに行うこと B プログラム内容をニーズに応じて開発すること C プログラムの実施に向けた準備を行うこと D 専門職者間での共有とフォロー E 効果評価 F 最適な支援体制の整備を行うことである。
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