2023 Fiscal Year Annual Research Report
Descriptive study on the definition of "sentence"
Project/Area Number |
22H00656
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山越 康裕 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70453248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 己 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30304570)
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30313274)
安達 真弓 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70790335)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 記述言語学 / 文 / 発話単位 / 音韻論 / 統語論 / 形態論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は2022年度に引き続き、山越はシネヘン・ブリヤート語をはじめとするモンゴル諸語、塩原はオーストロネシア諸語、渡辺はスライアモン・セイリッシュ語、安達はベトナム語の、既存調査資料の分析・整理をおこなった。 さらに山越は統語法に見られる中国語由来の終助詞や動詞に関する分析を進め、その成果としてパリにて"Influence from Chinese through Language Contact: the Case of Shinekhen Buryat"という発表を、安達はベトナム語研究会にて「発話の区切り方:ベトナム語の場合」というタイトルで発表を、塩原はとりわけ口語インドネシア語の省略と節接続に基づく文の規定について検討し、その成果としてハワイ大学にて"Core role indexing strategies in Bare stem construction in Colloquial Jakarta Indonesian"という発表をそれぞれおこなった。塩原は研究発表後に関連事象を対象とした追加調査をインドネシアにて実施した。 さらに、メンバー各自の資料の分析・整理の成果として山越・塩原はそれぞれAsian and African Languages and Linguisticsにて成果を公刊した。渡辺はThe Languages and Linguistics of Indigenous North America: A Comprehensive Guide, Vol. 2にてセイリッシュ語族に関する研究動向を紹介した。 さまざまな制約があるなかで当初予定する現地調査は十分に行なえなかったが、メンバー各自がそれぞれ一定程度の成果を刊行することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による渡航制限は解消され、分担者の塩原は予定通りの現地調査を実施できたが、他のメンバーについては前年度同様に高齢の少数言語話者との接触はより慎重を期す必要があることや、その他家庭の事情から、2023年度についても十分な現地調査は実施できなかった。さらに山越は現地の政情不安から今後の渡航が困難となったことに加え、当初予定していた研究発表を病気によって取りやめたこともあり、成果発表についても想定より少ない数となった。ただし順調に言語資料を公刊していることをふまえ、「やや遅れている」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度にあたるが、メンバー個々の事情により現地調査の機会はかなり少ないことが予想される。そのため、既存の資料を用いた分析を継続する。このほか、4名が対象としている話し言葉だけでなく、文献言語において分析者がどのように「区切る」のかということに焦点をあてた研究会を開催することを予定している。すでに通言語的規定が困難であるという見通しをメンバー内では共有しているが、その一方でなぜ「文」もしくは「発話」で人間は言語を区切るのかという問題について考察を進める。
|
-
-
-
[Journal Article] Salish2023
Author(s)
WATANABE, Honore
-
Journal Title
The Languages and Linguistics of Indigenous North America: A Comprehensive Guide
Volume: 2
Pages: 1053-1113
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-