2023 Fiscal Year Annual Research Report
資料横断的な漢字音・漢語音データベースの拡充と運用に向けた基礎的研究
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22H00665
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
加藤 大鶴 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (20318728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 信幸 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30413842)
坂水 貴司 広島経済大学, 教養教育部, 助教 (30825261)
佐々木 勇 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (50215711)
浅田 健太朗 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (50346045)
肥爪 周二 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70255032)
石山 裕慈 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70552884)
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (90415612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 漢字音 / 漢語音 / 位相差 / 文献資料 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は前年度に課題となったデータベースの構造的問題の解決を目指しながら、同様に前年度に目標とした文献資料を中心に新たなデータを実際に加え、仮公開まで運ぶことを目的とした。最終的には新たに26の文献を加え、延べ27万2千行に及ぶデータサイズとなった。これによって平安時代から昭和時代までの、漢文直読・訓読(仏典・漢籍)、和化漢文、音楽資料、和文、辞書資料に及ぶ広い位相的資料を取りそろえ、量的な分析が可能となるところまでたどり着くことができた。さらには新しいデータベースサイト(https://dhsjr.w.waseda.jp)を構築し、データセットを公開するだけでなく簡易検索サイトを実験的に立ち上げ利用者の便宜を図った。 一方、文献の性格が多様になることで、データベースの項目には見直しが必要となった。まず音楽資料に記される節博士を格納する項目を新たに設定した。また欧文資料が加わったことに伴いアルファベットによる字音・語音を示す項目も必要となった。前年度からの課題だった検索用の正規化列はJIS第2水準までの範囲で康熙字典体に統一された。今後は歴史的字音仮名遣いを本データベースで検証しながら、検索用「読み」項目も模索することになる。 今年度は2024年2月に跡見学園女子大学で進捗の報告会を分担研究者らと行った他、1月に東洋学とコンピュータ利用第37回研究セミナー、3月10日の清華大学におけるフォーラム古辞書・漢字音とデータベース2024など外部に積極的な発信を行った。また2023年8月には山口県にて旧栄福寺蔵大般若経の共同調査も行い、個別的な取り組みとは別に、新たな資料の発掘にも力を入れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
メーリングリストのほか、Discordにて研究に関わる小さな情報も共有し、全体の意思疎通に齟齬がない環境を保持している。いくつかの課題を残す部分もあるが、当初想定しているよりもデータサイズは大きくなり学術的成果も上がってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の予定通り進める。ただし新たに加えるべき文献資料、改善を検討すべきデータベース上の問題が発見された場合は、適宜解決を検討する。
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