2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dysphagia diets for the prevention of chronic inflammation -functional verification in cooking and processing and conformity assessment of dysphagia diets-
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22H00954
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 登志子 (鈴木登志子) 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60301313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂苅 真樹 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (20375223)
石井 香代子 福山大学, 生命工学部, 教授 (20462070)
川上 祐生 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (30453202)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性炎症予防 / 機能性食品 / 嚥下調整食 / 調理・加工 / 嚥下機能測定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康長寿を目指すためには,疾病治療ではなく予防が重要である.また,高齢者の低栄養とフレイルの対策として,喫食量を維持し高機能な嚥下調整食の開発が望まれる.加齢により増加する生活習慣病や慢性疾患は,多くの場合,慢性炎症が発症や重症化の基盤となる.そこで,新しい慢性炎症予防効果を付加した嚥下調整食の開発を目指し,本研究では,慢性炎症を予防する食品機能性の探索と検証,調理・加工条件下での機能性成分の安定性や変化の分析,機能性食材・成分を利用した嚥下調整食の作製と,物性解析や生理的嚥下機能測定によるその適合性評価を行う.その中で,当該年度においては,慢性炎症を予防する食品機能性の探索と検証と,次年度以降に予定している嚥下調整食の生理的嚥下機能測定のための評価系の構築に取り組んだ. 慢性炎症予防の食品機能性探索において,慢性炎症の誘導や促進に関わる炎症誘導性脂質メディエーターのPGE2やロイコトリエン(LT)の合成系を標的とした.その中で,ザクロ葉由来エラジタンニン類による,PGE2合成系最終酵素のmPGES-1発現抑制効果を明らかにし,炎症性疾患モデルマウスを対象とした検証を行った.また,ナツメグ由来マラバリコンCにアラキドン酸からLT合成の初発酵素である5-LOXに対する強い阻害効果を見出し,その酵素学的な阻害効果の詳細と,慢性炎症性皮膚疾患の乾癬改善効果を明らかにした. 嚥下調整食の適合性評価に用いる生理学的嚥下機能測定法として,嚥下音を生体信号として採取したパラメータ解析の有用性を検討した.20代男女あるいは50歳以上男女を対象として,物性の異なる試料を嚥下した際の嚥下音によるパラメータ解析に,男女差や男性における年齢差を見出し,その測定系の有用性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生活習慣病や慢性疾患は,基盤にある炎症の持続が引き金となって,発症あるいは重症化する.そこで,慢性炎症予防のための食品機能性の探索において,炎症誘導性脂質メディエーター合成系を標的とした. n-6系脂肪酸アラキドン酸より生体内で生合成される炎症誘導性脂質メディエーターの中でも,炎症時に誘導されるCOX-2やmPGES-1の酵素によって生合成されるPGE2は,発熱や疼痛,がんや神経変性に関わり,この持続的な過剰産生は様々な慢性炎症性疾患を導く.一方,アラキドン酸から初発酵素の5-LOXによって産生LTのうち,LTB4は炎症性細胞の遊走や炎症性皮膚疾患の増悪に関わり,LTC4, LTD4, LTE4などは喘息やアレルギー性炎症の惹起に関わる.そこで,mPGES-1と5-LOXの阻害あるいは発現抑制効果を持つ食品成分を探索したところ,ザクロ葉由来エラジタンニン類のmPGES-1発現抑制効果とナツメグ由来マラバリコンCによる5-LOX阻害を見出した.さらに,その食品機能性の検証として,慢性炎症性疾患モデルマウスを対象として,病変部における炎症性細胞の浸潤抑制や抗炎症効果を明らかにした. 嚥下機能測定法の構築のために,嚥下時の咽頭音を生体信号として,各種パラメータ解析を実施した.20代男女を対象として,水の容量を変えて嚥下測定したところ,嚥下音パラメータが容量と相関性し,さらに,粘度の異なるとろみ剤を試料として比較したところ,粘度の違いとパラメータ値に相関性が見出され,男女差も認められた.次に,50歳以上の男女を対象とした比較では,女性では年齢による有意差は認められなかったが,男性では50歳以上で,物性変化とパラメータ値の変化における相関性が見られなくなり,男性の嚥下機能の方が50歳以上で適合性が鈍くなる可能性が示唆された.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度明らかにした機能性成分以外にも,いくつかの候補成分を見出しており,さらに効果の高い成分の探索とその効果の比較を行う.また,調理・加工条件下で生じる機能性成分の構造類似物質の機能性の検証や比較を行う.次に,これまでに見出してきた慢性炎症予防効果を有する機能性食品を利用した嚥下調整食への応用を試み,その調理・加工による物性変化と,嚥下機能測定法を用いた嚥下適合性を評価する. 当該年度に構築してきた嚥下機能測定法の更なる改善とその有用性を明らかにするために,幅広い年齢区分の被験者を対象とした調査研究を実施し,それが生体機能の変化を正確に評価できているかの検証を行う.その後,機能性食品を用いた嚥下調整食の評価を行う.
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Divergent dimethylarginine dimethylaminohydrolase isoenzyme expression in the central nervous system2022
Author(s)
Kozlova AA, Ragavan VN, Jarzebska N, Lukianova IV, Bikmurzina AE, Ruberts E, Suzuki-Yamamoto T, Kimoto M, Mangoni AA, Gainetdinov RR, Weiss N, Bauer M, Markov AG, Rodionov RN, Bernhardt N.
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Journal Title
Cellular and Molecular Neurobiology
Volume: 42
Pages: 2273~2288
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Lipid profiling reveals the presence of unique lipid mediators in human milk from healthy and mastitic subjects.2022
Author(s)
Yuki Nagasaki, Erika Kawai, Saya Maruoka, Miho Osumi, Izumi Tsukayama, Yuka Okazaki, Yoshimi Miki, Kei Yamamoto, Makoto Murakami, Toshiko Suzuki-Yamamoto.
Organizer
17th International Conference on Bioactive Lipids in Cancer, Inflammation and Related Diseases 2022
Int'l Joint Research
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