2023 Fiscal Year Annual Research Report
Multidimensional approach on reading comprehension in children with specific learning disabilities
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22H01029
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 あゆみ 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10304221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 みちる 東海大学, 国際文化学部, 特任講師 (50738151)
内山 仁志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60348604)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 限局性学習症 / 発達性ディスレクシア / 文章読解 / 眼球運動計測 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1)小学校を対象とする読解能力の集団評価、2)1から同定された読解困難群の個別評価、3)読み困難児を対象とする介入研究、4)眼球運動計測を用いた読解能力の評価の検討、の4つの研究からなる。 研究1・2については、昨年度行った介入研究(研究3)を通し、研究で用いる課題の再検討が必要と考えられたため、研究開始を延期し研究会(シンポジウム)を行った。文章読解に関する縦断研究を行っている海外研究者(Oxford大学 Margaret Snowling教授, Charles Hulme教授)、および読解課題の研究を行なっている国内の国語教育の研究者を招聘し議論の場を設けた。この研究会において文章読解における言語能力の重要性が確認され、英国で使用されている課題の提供を受けた。このうち言語能力の評価課題については今後、日本語版の作成を検討している。また読解課題の選定・作成にあたっては、各設問が何を問うているかを分析することが必要であることが確認された。 以上の議論を踏まえて、研究1で用いる読解課題の選定、研究2・3の個別評価に用いる認知課題の選定と読解課題の作成を行った。 研究4については、学童での予備実験を行い、学童でも単語単位であれば十分な精度で評価が可能であることを確認した。予備実験の結果から、文章黙読時に加え、読解問題提示後の眼球運動をそれぞれ評価することが有用と考えられたことから、読解問題を用いた課題を作成した。現在、読解困難児でのデータを取得中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染の影響により2022年度に小学校での調査が行えなかったこと、研究開始後に評価に用いる課題の問題点が明らかとなり検討が必要となったことから、研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
集団評価(研究1)については、現在対象校と調整中であり、来年度から評価が実施できる予定である。 個別評価(研究2)、介入研究(研究3)についても、評価指標が確定したことから、来年度・再来年度の2年間で順次評価行ない、介入研究を開始する予定である。研究1の開始の遅れに伴い、研究2の対象者が不足すると考えられることから、集団評価の対象者以外からも募集することとする。 課題の再検討を行ったことから研究の進捗が遅れたが、この過程で新たに海外の研究者や国語教育の研究者と連携することができた。島根県立大学の中井悠加准教授に新たに分担研究者に加わっていただくとともに、Oxoford大学のSnowling教授、Hulme教授とは言語評価課題に関して引き続き助言を得る予定である。
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