2022 Fiscal Year Annual Research Report
大規模縦断調査による子どもの良好な適応に資する自己制御の発達軌跡の解明
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22H01078
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 芳雄 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 講師 (70760891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 智也 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20832041)
西村 倫子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (30773791)
足立 匡基 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (50637329)
森 裕幸 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (60848307)
三上 美咲 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (30910426)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 発達心理学 / 臨床心理学 / 学校心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国内で実施している大規模縦断コホート調査のデータを組み合わせることで、“適応的な自己統制”の発達とはどういうものか、またその発達にどのような要因が関わるかを明らかにする。具体的には、児童思春期における情緒及び行動の問題の総和が小さく、かつQOLが良好になる適応的な自己制御の発達パターンを明らかにするとともに、その発達に関わる要因の特定を目指す。 本年度は、これまで我々が子どもの精神的健康に関する調査を行っているフィールドで子どもたちの自己制御に関する大規模調査を行った。調査では、ある自治体の公立小中学校に通う児童生徒全員とその保護者を対象に、自己制御、及び精神的健康に関する調査を学校に配布し、各学校で質問紙調査を実施したデータを回収した後、これまで取得していたデータと接続して、3か年における自己制御発達について解析を行った(潜在クラス成長分析)。その結果、自己制御の発達については、全体的に良好なグループと不良なグループの2パターンに分かれることがわり、自己制御全体の発達パターンはそれほどバリエーションが無い可能性が示唆された。今後は発達特性や環境変数などをモデルに投入し、それらの因子が自己制御の発達パターンに与える影響も明らかにする予定である。また、それぞれのパターンが児童生徒の精神的健康に関するアウトカム(抑うつや不安など)にどのような影響を与えるかについても分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初の社会的状況(コロナウィルス感染拡大)の影響もあり、一部年度をまたいで行った調査もあるが、計画していた調査は全て実施することができた。来年度に関しても当初の計画通り研究を進められるよう、各研究機関の分担研究者との打ち合わせを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き児童生徒を対象にした大規模調査を行う。それとともに、これまでの取得した経年データを接続するためのアルゴリズムも開発し、来年度以降のデータ接続から結果を出すまでのプロセスをスムーズに行えるようにする。
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Research Products
(7 results)