2022 Fiscal Year Annual Research Report
Laplacian-eigenvalue maximization and minimal surface
Project/Area Number |
22H01122
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成 慶明 福岡大学, 理学部, 教授 (50274577)
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90244409)
庄田 敏宏 関西大学, システム理工学部, 教授 (10432957)
近藤 剛史 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (60467446)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | ラプラシアンの第1固有値 / ウェイト付きリーマン幾何 / 等長埋め込み / 双対問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
多様体の埋め込みとラプラシアン第1固有値に関する最適化問題について研究を行った。これらの問題は互いに双対な変分問題の対をなしているが、無限次元空間における双対な最適化問題に関する一般論がBrezis等によって整備されていることを知ったので、その理論が我々の最適化問題に応用できるか、検討を進めた。 五明工氏(大阪大学・特任研究員)と共同で、長さ付き有限グラフのラプラシアン第1固有値の最大化問題について研究を行った。最大化する(あるいはより一般にextremalな)長さ関数が存在するとき、対応するラプラシアンの第1固有関数を使って、ユークリッド空間へのよい双リプシッツ写像が構成できることを示した。実際、この写像とユークリッド距離によって、長さ関数を明示的に表示することができる。この結果は曲面の場合のNadirashviliの定理の離散類似とみなされる。この結果といくつかの具体例をまとめた論文を、現在投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長さ付き有限グラフのラプラシアン第1固有値最大化問題の研究を進め、適切な定式化をすると対応するラプラシアンが藤原ラプラシアンと一致することをつきとめた。最大化する(あるいはより一般にextremalな)長さ関数が存在するならばグラフのよいユークリッド実現が得られるというNadirashvili型定理を得ることができ、この結果といくつかの具体例をまとめて論文を仕上げることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
埋め込み最適化問題の変数として、ユークリッド空間への写像だけでなく、一般にl^2空間への写像まで考えて問題を定式化し直してみる。さらには、写像の代わりに対応する平滑化作用素を変数に取り直してみる。 今のところ、問題が明示的に解ける「非自明」な例は平坦トーラスに限られているので、新しい例を求める方向で研究を行う。まずはハイゼンベルグ群などから考察を始める。 長さ付き有限グラフのラプラシアン第1固有値の最大化問題については、今年度の研究結果から、グラフがサイクルを含むならば第1固有値は発散することが予想されるので、その証明に取り組む。
|