2023 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization of maintenance plans for coastal protection facilities considering climate change using real option theory
Project/Area Number |
22H01603
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安田 誠宏 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (60378916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 智也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70789792)
金 洙列 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (60508696)
福谷 陽 関東学院大学, 理工学部, 准教授 (10785322)
楳田 真也 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (30313688)
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
藤見 俊夫 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40423024)
瀬木 俊輔 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50762382)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 気候変動 / 高潮 / 浸水リスク / リアルオプション / 暴露 / シャドープライス |
Outline of Annual Research Achievements |
将来気候における潮位偏差および波浪の確率分布から,再現期間毎の値を抽出し,打上げ・越波統合算定モデルIFORMを用い,越波量を算定する方法を適用した.高潮の時系列経過のモデル化を行い,越波流量に想定高潮継続時間と越波区間の堤防延長を乗じることで総越波量を算定し,浸水深と浸水範囲を求める方法を確立した. 打上げ・越波・越流の遷移過程モデルIFORMを高波・高潮・潮汐結合モデルSuWATに実装した従来モデルを,砕波水深を詳細に計算できるように改良した.実海域への適用のため,波向きも考慮し,波浪による越波から高潮による越流までの遷移過程を含む複合浸水を推定可能な,沿岸域における実用的な浸水リスク評価に最適な手法を提案した. 国立環境研究所の日本版SSP開発チームが作成した日本のSSP別市区町村別人口推計データを用い,将来の人口減少に伴う暴露の変化を考慮し,被害額を推計した.また,嵩上げ費用の価値は工事費そのものよりも必ず高くなる.すなわち,工事費そのものでなく,財政支出のシャドープライスを考える必要がある.これは,最適課税理論で議論される財政の限界費用に相当する.この財政の限界費用は,税収の変化がない場合は,支出額の限界便益に相当する.公共事業再評価委員会の公表資料から,治水事業の費用便益比を抽出して平均値を求め,財政支出のシャドープライスを設定して分析した. リアルオプション分析では,将来の海面上昇量について,2℃上昇と4℃上昇の予測値を用いてシナリオツリーを作成した.各期間においての不確実性の幅を考慮することができるよう分岐を作成した.海岸保全施設整備計画におけるリアルオプション分析の具体的適用方法を示したうえで,その方法により経済的に最適な整備時期と整備水準を動学的に求めることが可能なことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケーススタディ対象とした海岸において,越波による浸水を簡易に推定する方法について確立することができた. 打上げ・越波・越流の遷移過程モデルIFORMを高波・高潮・潮汐結合モデルSuWATに実装したモデルをさらに改良し,沿岸域における実用的な浸水リスク評価に最適な手法を提案した. 暴露の将来変化,財政支出のシャドープライスを考慮した方法について検討した.ケーススタディとしてリアルオプション分析の具体的な方法を示した.
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Strategy for Future Research Activity |
リアルオプション分析の検討について,設定が不十分な部分について改良を重ねていく. 嵩上げ工事以外の対策についても比較検討とする. 他の海岸で同様な結果となるかを検討し,一般化・汎用性について調べる.
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