2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H01610
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高山 雄貴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90612648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 大輔 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (20738249)
杉浦 聡志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30648051)
大澤 実 京都大学, 経済研究所, 助教 (50793709)
中西 航 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (70735456)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 共有モビリティ / 都市交通システム / 交通需要の時空間分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
“共有モビリティ”は,個人が所有するのではなく共有することを前提とした新たな交通手段である.ICTの活用を前提に,利用者の要請に応じて移動サービスを供給するという柔軟性の高さから,自動運転技術が確立すれば,共有モビリティはマイカーに依存した都市交通システムを大きく変容させると考えられてきた.そこで,本研究では都市交通システムの長期的な構造変化メカニズムを理論・実証の両面から明らかにし,その知見を基盤に現実の都市交通システムを対象とした計量分析手法を開発する.そして,開発した分析手法により,共有モビリティと都市交通システムの共進化の形態・COVID-19流行により進展したオンライン化が共有モビリティを含む都市交通システムに与える影響を解明する. 本年度は,理論・実証研究の基礎的内容を実施した.その成果は以下の通り: [理論] 共有モビリティを含む都市交通システムに関する理論構築:高山が先行研究で構築した (交通手段が単一種類の) 経済活動の時空間集積メカニズムを考慮したモデルを基礎に,共有モビリティを含む (i.e., 起終点, 時間帯, 手段別の交通需要を内生化した) 都市交通システム・モデルを開発した.これにより,交通と土地利用の相互作用を適切に表現できる理論モデルが完成した. [実証] 携帯電話位置情報を利用した交通需要の時空間分布特性の実証:東京都市雇用圏の携帯電話位置情報から得られる交通手段毎の移動人数に関する時空間データを用いて,現実の都市圏における交通需要の時空間分布特性を調べた.その結果,「非ピーク時に通勤する通勤者の方が,ピーク時より通勤距離が短い」というアメリカを対象とした実証研究とは異なる性質が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部の予算繰越の必要は生じたものの,研究自体は当初計画通り進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり,2023年度は理論・実証研究の発展と,応用に向けた基礎的な研究を実施する.そして,得られた知見を基盤に,2024年度において,共有モビリティやオンライン化の進展が都市交通システムに与える影響を定量的に明らかにする.
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